『日々の映像』

2006年04月25日(火) 顔の見える会員制ネット・地域の防犯、自治体も活用

 4月14日「ソーシャルネットワーキングサイト:716万人」と題して書いた。利用者同士の交流や情報交換を目的としたインターネットの会員制サイト「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」を「地域の安全をネットで」として導入する自治体が増えているという。利用者が来年には一千万人を超えるとの予測のなかで災害、行政情報などをいち早く伝達する「地域SNS」の動きは特筆されよう。失われつつあるご近所の回覧板や口コミの現代版としての役割も期待されているのだ。

 今年1月27日、東京都千代田区で殺人未遂事件が発生した。同区の地域SNS「ちよっピー」(会員数約千人)は発生直後から事件の概要を紹介。会員を中心とする住民同士が報道に先駆けて情報を共有した結果、園児や児童の保護者による送り迎えがスムーズに行われ、情報不足による住民の過剰反応が抑えられた」(4月23日・産経から)という「ちよっピー」を運営する同区の外郭団体「まちみらい千代田」の三浦博子さんは「SNSが機能した好例」と話ししている。
 
 「ちよっピー」は、防災防犯対策や街づくりに役立てるため、総務省が昨年12月から今年2月まで実施した地域SNS実証実験の第一弾。同省は「地域コミュニティ再生は自治体にとって死活問題。参加への敷居が低いSNSで地域を活性化し、防災防犯対策、街づくりにつなげたい」(自治政策課)と実験の意図を説明する。

 自治体主導だけではなく、民間による地域SNSも増加の傾向だ。「六本木貴族」「シモフリ」「ふちゅうじん」。東京の六本木、下北沢、府中市の地名にちなんだ地域SNSが昨年から相次いで始動し、口コミ情報の“発信基地”として浸透しつつある。
  
 匿名が常識のネット社会では、情報の信頼性に難点があった。実名公表が原則のSNSは「顔が見える」ため、信頼性が格段に向上しているのだ。SNSに詳しい国際大学グローバルコミュニケーションセンター(東京都港区)の庄司昌彦研究員は「実名性の回復により、現代社会の希薄な人間関係が、濃い関係に転化する可能性がある」と指摘している。



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石田ふたみ