2005年02月06日(日) |
<集団自殺>神奈川で男女6人、静岡で3人 |
自殺の問題は、個人の問題と片付けられない段階に入っている思う。人口比で年間で3万人以上の自殺者をだす日本は、先進国の中では異常に高いのである。これほど多くの自殺者を出す日本社会は、何が不足しているのかとの視点が必要だ。この自殺者は、自殺に成功した人の数である。それでは、自殺を試みたが失敗したという自殺未遂者はどれだけの人数になるのか。10倍という説と、いや20倍だという説がある。10倍説をとっても年間で30万人以上の人たちが自殺を試みているのだ。なぜこのような結果になるのか。国民全体が問題意識を持つ必要がある。 最近の若い人たちの自殺は深刻な問題である。1月5日だけで神奈川で男女6人、静岡で男女3人の集団自殺があった。いずれも煉炭による一酸化炭素中毒死である。神奈川の6人は20代、静岡の3人は30代と見られている。心を重くするのは30歳代の自殺が初て4千人を超えたことである。リストラなどの影響で、仕事の負担がのしかかるようになり、過度のストレスを抱える人が増えたのではないか、との見方がある。いずれにせよ、現在の社会状況を色濃く映し出した結果といえるのだ。 自殺の原因解明が難しい。それゆえ防止対策もなかなか一筋縄ではいかない。ただ言えることは、生きる意味を整理できない国民が増えていることだけは確かである。「生きるとは」という原点の混乱とも言えると思う。生きる意味を感じ取れない若者の増加は、そのまま社会の価値観の混乱が生み出した結果といえる。若い人たちの視点を合わせて言えば、未完成の若者を包容するだけの社会の文化が必要だ。結びに我が子を失った両親に、心からのお悔やみを捧げたい。このような悲劇がいつまで続いていくのだろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 癒しの森542 2005年2月6日 煉炭自殺を否定しないGさん
2月3日散歩の休憩地点(24時間スーパー)でホームレス2人、ホームレスに近い2人の知り会いがいることを書いた。メンバーを紹介すると次の通りだ。 ・ ホームレスの Cさん ・ ホームレスの Tさん ・ 準ホームレスのSさん ・ 自殺願望のGさん 4人のことは癒しの森に不適切なテーマであるが、反面教師の意味で記述したい。内容は、当然癒しの森でなく苦悩の森の物語である。今日は自殺願望のGさんのことを書き留めたい。この人は奥さんから別れてくれと毎日のように三行半を突きつけられている。55歳で仕事を失ってから2年が経っている。今は早朝のスーパーの清掃パートで働いている。働くと言っても時給700円で2時時間の仕事である。国民年金の13800円が払えないとの相談を私に持ちかける。そんなことは簡単である。社会保険事務所でその旨の手続きをすればよいなどのアドバイスをする。 今日深刻に受けとめたことは1日1400円の収入しかないのに、仕事が終ると2カップの酒を飲むのである。「酒を止めなければ立ち直ることが出来ないよ」とアドバイスした。この人の人生を狂わしたのは酒である。これでは三行半を突きつけられても仕方がない。奥さんが、アパートから逃げるとこの人は生きていかれない感じである。Gさんは準ホームレスのSさんに「Gさん。お前さんは睡眠薬と練炭しかない」と言われても反発する力が残っていないのである。
・その顔に 苦悩滲ませ 酒あおる 三行半も やも得ぬ流れ
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