『日々の映像』

2005年02月03日(木) ジェンキンスさん15年間は犬のような生活だった

 以前は北朝鮮関係のことを毎月のように書いたが、最近の1年間は記述する意欲すら失っていた。しかし、ジェンキンスさんの証言は書き留めておきたい。1月31日、佐渡市内で記者会見し、北朝鮮の金正日総書記を「邪悪な男」と表現した。会見の言葉を引用しよう。「・・・邪悪な男だ。金体制下では、誰も彼に対する悪口は言えない。それが国民から搾取し、国民を抑圧する社会主義国家体制だ」と答えた。また、北朝鮮での最初の15年間は犬のような暮らしだったという。犬のような生活とは具体的にどのような内容であったかを言うこが出来ないほど惨めだったのだろう。以前も書いたが国家のレベルとは、人権にどう対処するかである。北朝鮮は、この視点で言えば世界で最低の国家である。
 毎日新聞報道されたジェンキンスさんの一問一答を前段と重複する部分もあるがその一部を引用したい。
 ――北朝鮮が間違えて看護師のひとみさんを拉致したと雑誌などで発言しているが。
 北朝鮮を出る直前に、「日本語と日本の習慣を教える教師を探していた」と聞かされた。看護師を必要としていなかったので、英語を教えられるよう、私のところに(ひとみさんは)連れてこられ、その後すぐに結婚した。
 ――北朝鮮での40年間を振り返ると。
 初めの15年は犬と同じようなひどい生活だったが、ひとみと会って生活は変わった。幹部の対応も変わり、殴られることもなくなった。
 ――北朝鮮で小泉首相と面会した時、「曽我さんが北朝鮮に戻ってきてほしい」と語っていたが。
 金正日が北朝鮮から私たちを出してくれるとは夢にも思わなかった。
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 癒しの森539                             2005年2月3日
           ホームレスのCさんが帰ってきた
 
 今日は晴天であった。寒い朝でも青い空が広がっていれば気分もいい。いつも散歩で歩いている堤防は、30センチ余りの雪が残っていてここを歩くことが出来ない。止む無く堤防から50メーター西側の道路を歩く。今日散歩コースで新しい自然現象に接する。西川に氷が張っているのである。ゆるいスピードで流れる西川に氷が張るとは思ってもいなかった。橋の上からしばし厳寒の造形美を眺める。
 1月30日「厳寒でねぐらを持たないホームレス」と題して書いた。このときの記述の中心は、突然いなくなったホームレスのCさんのことであった。行方不明となってから10日後の今日、いつもの24時間スーパーに現れた。1月9日に書いた通称「ヘルメット」と呼ばれているホームレスも来ていた。加えて1月30日準ホームレスのSさんと紹介した男、そして今日はじめて紹介する自殺願望のGさんと4人が同時に揃った。Cさんに「何処に行っていた」と尋ねると「温泉に行っていた」と話をはぐらかしていた。この人たちの会話には「誠実・謙虚さ」がない。あるのは良く見せようとする虚栄なのである。悲しい性(さが)といわねばならない。自殺願望のGさんに話しかけたことがあるが、自分の今までの思考に縛り付けられている。一見どうにもならないような気がするが、出来たら彼らの生き方を変えられればと思っている。このような人たちを何とかしようとするNGO団体がある。そこの代表のアドバイスを受けたいと思っている。

    ・厳寒を 避ける所は 限られし いつも集まる 苦悩の空間
     


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石田ふたみ