『日々の映像』

2004年10月04日(月) 恐るべし声の出ない患者の爪を剥ぐ

 人間の心が闇の覆われると、信じがたい行動をとるものである。信じられないことが京都市南区の十条病院で起こった。身動きのとれない重病患者ばかりが狙われ、つめをはがされるという陰湿な事件が起こったのだ。意識があっても声さえ上げられない弱い立場の被害者が犠牲になった。つめをはがされるという激痛に声さえ上げられない患者、むごさが異様に浮かび上がる。病院によると、被害に遭ったのはいずれも特殊疾患病棟に長期入院している女性患者。痴呆で寝たきりまたは、気道切開中で声が出せない状態だったという。病院関係者は「意識があっても、痛いという声さえ出すことができなかっただろう」と説明している。(ここまで10月3日京都新聞から)

 この事件で、京都府警に傷害容疑で逮捕された看護助手、佐藤あけみ容疑者(30)がいじめの腹いせに犯行に及んだ可能性もあるという。動機がどうあれ、声も上げられない患者につめをピンセットで剥ぎ取る行為をなぜ思いつくのだろう。報道によれば5人が被害にあっており、内一人は「片足の五指すべてのつめがはがされていた」(10月4日・毎日から)という。
 生爪を剥がす激痛はいかほどであろう。その昔、ツメと肉の間に針を刺すという拷問があったという。声も出せない患者は、息が止まりそうな激痛の拷問を受けたと同じである。佐藤あけみ容疑者のつめを剥いで、患者の受けた激痛を経験させるべきだと息巻いていた知人がいた。
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癒しの森416                           2004年10月4日
           
       イチローの安打記録は262本

 今日もイチローに関するおびただしい報道がある。この癒しの森は讃嘆の文化を発信しようという側面があるので、今日もイチローの讃嘆に記録を取りまとめたいと思う。米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は3日、今季最終戦となるシアトルでのレンジャーズ戦に出場、最多安打記録を2本更新し安打記録は262本とした。 イチローは打率3割7分2厘で、3年ぶり2度目の首位打者を獲得した。イチローの妻、弓子夫人が喜びの談話を発表した。味わいのある文面なので全文を引用したい。

 「ただただうれしく感激しています。メジャーでプレーできるという思いがかなった時、鏡の前でマリナーズの帽子をかぶってみては子どものように喜んでいた笑顔が今でも心に残っています。▼あれから4年。あの時かぶって見せてくれたマリナーズの帽子を、メジャーの偉大な記録を塗り替えるという瞬間に、大勢のファンの方たちの喝采(かっさい)に応えて高々と掲げる日が来るなんて、その感激は言い尽くせません。▼この4年間、決して平坦な道のりではありませんでしたが、私自身、主人のひたむきな姿に支えられてきました。感謝の気持ちでいっぱいです。▼そして、なにより、応援してくださったファンの皆様、支えてくださったすべての方々に心より感謝致します。本当にありがとうございました」
メモ欄にイチローの記録に対する各界リーダーのコメントを掲載した。

 ・アメリカに あれから4年の 今日のとき 世界の喝采 高々掲げん
     


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 ◆巨人・長嶋茂雄終身名誉監督 「歴史あるメジャーリーグでも、長い間破られることがなかった記録が新しく書き換えられたことは本当に素晴らしい。イチロー君には伝説的な記録をまだまだつくっていってもらいたい。これからの活躍が楽しみになった」
 
 ◆マリナーズのボブ・メルビン監督(42) 「(記録を更新した)2本目の安打を放ったときは、涙が出た。リードオフマンとして史上最高の選手だ」
 
 ◆タイ記録と新記録の両打席で打ち込まれたレ軍先発のライアン・ドリーズ投手(28) 「ゴロが抜けていっただけ。大したことではない。(打たれた相手として記録集などに載るのは)嫌なものではない。500号本塁打とかを打たれて載るわけじゃない。ゴロの単打2本なんだから、全然気にしないね」
 
 ◆今季限りで引退するマ軍のエドガー・マルティネス内野手(41) 「また偉業を成し遂げたね。私が引退する年に達成してくれて非常にうれしい。偉大な歴史を塗り替えたわけだからね。Amazing(ビックリ仰天)だよ。今回だけでなく、ずっとイチローには驚かされてばかりだった。おめでとう」
 
 ◆ワシントン・ポスト紙の政治コラムニストで、米国でベストセラーになった『野球術』(文春文庫)の著者でもあるジョージ・ウィル氏 「ヤンキースの松井もグレートだが、大リーグに与えた衝撃度ではイチローと比較にならない。これまでの大リーグの常識を覆す打ち方だからね。一塁方向へ走りながら、これだけのヒットが打てるなんて考えられなかった。彼を生み出した日本に感謝したい」
 
 ◆ダイエー・王貞治監督 「(記録まで)あと1本となって本拠地に帰って、第1打席、第2打席で打っちゃうのが、超人的でイチロー君らしい。もう少し難産かとも思ったけど。素晴らしいの一語。何と言っていいのか分からない」
 
 ◆中日・落合博満監督 「すごいこと。野球界にある種の革命を起こした。野球をやるために生まれてきたようだ。(技術、精神の)すべてがそろっていないとできない。自分の記録を、また自分で破るんじゃないのか」
 
 ◆仰木彬氏(オリックス時代の監督) 「日本球界でいろんな出来事があった中で、こういうことをやって、みんなの“期待の星”になった。すごく大きい存在になった。われわれの想像をはるかに超えている」 
 
 ◆オリックス時代にイチローを育て上げたダイエー・新井打撃コーチ 「すごいことで、おめでとうとしかいいようがない。日本で数々の記録を作った人なので、向こうでも記録を作るだろうと思ってみていた。ヒットにする能力は、誰よりも優れている。すごいことだけど、不思議じゃない。当然と思ってみてました」
 
 ◆マ軍・長谷川滋利投手(36) 「自分のことのようにうれしい。きょうは野球のファンになれた。毎日コツコツやっていれば、これだけすごいことができると参考になった。記録を抜いてからスイングがよくなった。残り2試合は、また彼のよさが発揮されるでしょう」
 
 ◆元マリナーズの横浜・佐々木主浩投手 「テレビで見てました。打った瞬間はクールだったけど、喜んでいたと思う。留守電に“おめでとう、まだ先があるからがんばって”と入れておきました。彼は天才といわれるけど、陰の努力はすごいですよ」
 
 ◆ヤンキース・松井秀喜外野手(30) 「挑戦というより、イチローさんはいつも通りのプレーをしていただけだと思う。それで大記録に到達するのだからすごい。すごいのひと言しかない」
 
 ◆ドジャース・石井一久投手(31) 「だれも到達していない数字ですし、素晴らしいことだと思います。しかも世界トップのメジャーで(記録達成を)できるのはすごい。積み重ねたくても積み重ねられない数字ですから。同期入団ですが、記録を狙っているときは電話をかけないようにしています。お祝いの電話も、多分しないと思います」
 
 ◆西武・松坂大輔投手 「ちょっとボクなんかとは違う世界にいますね。すごすぎるとしか言いようがない。今季はチームも弱かったので、モチベーションを保つのも大変だったと思う。これからもいい意味で周囲の期待を裏切ってほしい。ちなみにボクは通算100号を打たれています」

 ◆サッカー日本代表・ジーコ監督 「(打席は)ハイライトで見ました。すごいですね。日本中、大騒ぎ。いいことです」



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石田ふたみ