『日々の映像』

2004年08月05日(木) <北朝鮮>ベトナムを名指しで非難

 個人の場合で何があっても相手が悪いと考える人がいる。北朝鮮の思考はまさにこれで、すべての出来事は相手が悪いと考えるようだ。北朝鮮の外務省報道官は3日、468人の脱北者が韓国入りしたことについて、友好国であるベトナムを名指しで非難した。その非難の思考が面白い「「ベトナムは今回の事件を通じ、自らの利害関係のためには、国家間の義理や道徳さえも破る信義のない行動も容易にできるということを自ら暴露した」(8月3日・毎日)とベトナムを非難している。

 さらにこの事件に関連して米韓両国の非難が面白い「今回、脱北者に化けたわが住民の大部分は、親せき訪問のため中国東北部に渡り、敵の情報機関の誘引戦術にかかった人々だ」との子供だましのような主張をしているのだ。当分の間まともな外交交渉が出来る国ではない。さらに米国に対して「今回の事件は米国の北朝鮮に対する敵視政策の産物であり、南朝鮮不純分子らの意図的な策動だ」と米韓両国をまとめて非難している。脱北者が出るのは米国の北朝鮮に対する敵視政策の産物であると言っているのだからどうにもならない。
  
 今回の件で北朝鮮と韓国の閣僚級会談が中止になったようだ。460人を超える北朝鮮脱出住民をベトナムから韓国へ移送したことに関連して「テロ、拉致行為」だと非難しているのだ。これが個人の見解なら頭が狂っているといわれても仕方がない。
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癒しの森351                           2004年8月5日

             読書感想文の時期が来た

 今年で50回目を迎える「青少年読書感想文全国コンクール」(全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催)の作品募集が始まった。2003年11月3日の癒しの森で、作家小池真理子さんの読書に関する説明を引用した「映像では、私たちはスクリーンに没頭します。・・映像というものは与えられた情報です。それに対して、小説を読む作業は、活字を追いかけて大脳の中に自分なりのスクリーンをおろし、自らが映写機となって、スクリーンに情景を写し出していくようなもの。自分自身が映写機の役割を果せるような力は、小説を読むことによってしか育まれません」と。
 
 「読書を楽しみ、その感動を文章に表現することによって豊かな人間性を育てる」との目的を掲げてスタートしたこの読書感想文コンクールは、参加校小・中・高校合わせて2万を数え、作品は400万編を超える規模になっている。ここまで育て発展させた多くの関係者に敬意を表したい。文筆家の池田晶子さんは「本には言葉がある。……言葉は、人間をそこに立ち止まらせ、耳をすまさせ、考え込ませる。」(8月2日・毎日)と言っているがまさににその通りだと思う。最近動物的な反応しかしない危険な大人がいる。これらの人たちは、読書による心の耕しが行われていないのだ。
   
   ・活字追い 立ち止まりつつ 考える 心を耕す 確かな力
     


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石田ふたみ