『日々の映像』

2004年01月17日(土) 奥田会長賃下げの必要性強調

 給料を上げてくれという春季闘争、略して「春闘」の季節がやってくる。日本経団連の「労使フォーラム」が14日、東京都内で開かれた。日本経団連の奥田碩会長の講演は、経営者側の春闘の概要を示しているので要点を引用したい。

1、企業の存続や雇用の維持・確保を考えると、所得を増やして家計を豊かにするという選択肢は非常に限られたものとならざるを得ない。(ベースダウンを含む賃下げの必要性を改めて主張している)
2、家計を豊かにするため、所得を増やすことも重要なことは十分承知している。ただし、昨今のデフレと国際競争激化の中では、所得を増やすことは難しい。
3、労使の努力で生産性が向上し、企業業績が改善した場合は、賞与や一時金で配分していくことが必要だ。(賃金は基本的に上げないとの姿勢)
4、一律的なベースアップは論外で、定期昇給制度の廃止・縮小、ベースダウンも労使の話し合いの対象となりうる。(賃金水準を引き下げるベースダウンにも言及している)(以上1月14日の毎日新聞から)
5、企業もリストラに取り組んでいるように、家計も構造改革の痛みをこうむり、消費支出の見直しを模索すべきだ。(家計支出のリストラの必要性を訴えた) (1月14日・時事通信から) 

 日経連の会長が、家庭の消費支出の見直しを求めるのであれば、政府・地方公共団体が関与している公共料金の見直しも求めるべきだ。
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癒しの森148                            2004年1月17日
       参院議員の西川きよしさん(57)引退へ

 今期限りでの政界引退を表明した参院議員の西川きよしさん(57)。きまじめな性格そのままに、タレント議員として軽んじられまいと他人の何十倍も努力してきたという。
 
 以前耳にした言葉であるは「中学卒で何が出来る」と嘲笑されたこともあった。しかし、西川きよしさんの誠実さは、人の心をつかんだことは確かである。西川さんは3期18年にわたる無所属での活動を振り返り、「国会で一人ぼっちは大変な戦い。いじめられもした。公約通り、献金をいただかず、政党助成金もなく、生活は楽ではなかった」と本音も漏らしたという。
 
 西川さんが初めて立候補した時の相談相手で、40年近い交友関係がある中山正暉前衆院議員(71)は「世の役に立ちたいという気持ちが強く、高齢者への思いやりを持っていた」と引退を惜しんでいる。政治献金を一切受け取らないという潔癖さを持った人が、国会議員を続けること自体が厳しいのだ。
 
 ・中卒で 何が出来ると 差別する 社会に根を張る 島国根性 

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◆ 春闘 (毎日ことばから)
春にかけて、労働組合が統一要求を掲げ、経営側と一斉に賃金交渉すること。労働側にとってはまとまって圧力をかけることで、労働条件の向上実現に期待が持てる。50年代半ばに出来上がり、高度成長期には、春闘による賃上げが消費を拡大し、成長を支えた面もあった。現在は、企業ごとに業績がばらつき、デフレも進行していることから、同水準の賃上げが難しく、“横並び”春闘は崩壊している。
     

 

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石田ふたみ