『日々の映像』

2004年01月02日(金) 米国初の牛海綿状脳症(BSE)感染牛の波紋(1) 

 その国特有の食文化がある。米国の食文化の中で許されても、日本の消費者が拒否することが出てくる。米国の牛肉の管理システムが明らかになるにつれて、日本の消費者が米国産牛肉を拒否する可能性が高い。
 一例を挙げれば「へたり牛」の扱いである。へたり牛とは「病気やけがで正常に歩けない牛で、ワシントン州で見つかった感染牛にも同じ症状が見られた」(12月31日・共同通信)という。
 問題はこのへたり牛の数である。農務省によると「米国で年間に処理される3500万頭前後の中に15万−20万頭のへたり牛が含まれるが、これまでは部分的な検査を受けるだけで食用へ回すことが許されていた」(同)のだ。今回の感染牛は、BSE検査の結果が出る前に出荷されたため、全米8州とグアムに流通し一部が消費されたのだ。
 イギリスはへたり牛の前頭検査をしているが、米国では10%余りの検査体制しかないのだ。よって、過去も感染牛が出荷された可能性があるのだ。米農務省はやっと(1)「へたり牛」の食用全面禁止(2)抽出検査の結果が判明する前の販売禁止などを打ち出している。
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癒しの森134                             2004年1月2日
              天皇・昨年の短歌

 天皇陛下は、新年を迎えるに当たっての感想を発表された。陛下はその中で、前立腺がんの摘出手術を受けた際のお見舞いなどについて、「大勢の人々が病気を心配し、古希を祝ってくれたことに深く感謝しています」と述べられた。宮内庁は陛下が03年に詠んだ歌を発表した。

〈東京大学医学部附属病院を退院して〉
 ・もどり来し宮居の庭は春めきて我妹(わぎも)と出でてふきのたう摘む
〈入院の日々に〉
 ・入院の我を気遣ひ訪(と)ひくれし思ひうれしく記帳簿を見る

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 日本の言葉の文化は、中国の影響を大きく受けており「古希」などという言葉はその典型だ。古希は、杜甫(712〜770)の詩の中に「人生七十年古来稀なり」と謳ったところから来ている。十年ほど前NHKの「漢詩紀行」16巻を買った。現役のころは鑑賞の機会がなかったが、これからは時折開いてみたいと思っている。新春でもあるので、漢詩の中で最も有名な杜甫の詩(4行のみ)を引用したい。

 国破山河在    国破れて 山河あり
 城春草木深    城春にして 草木深し
 時感花潅涙    時に感じては花にも涙を潅ぎ
 恨別鳥驚心    別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
         (3段目の潅ぎは文字がないので当て字となっている)
     




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石田ふたみ