『日々の映像』

2003年04月04日(金) イラク戦争・バンカーバスター爆弾 

 昨日共和国防衛隊の2個師団(1個師団は約10000人)が壊滅したことを少々記述した。戦列を組んで米軍の前に現われれば、巡航ミサイル・トマホーク、精密誘導弾、人を殺すことが目的のクラスター爆弾(集束爆弾)、900キロ級の精密誘導爆弾などが投下されることになる。

 1個師団を壊滅させて、米軍の被害はゼロである。これは戦争というより、無知なイラク兵の大量殺戮である。「戦闘力が圧倒的に弱いイラク兵を1方的に殺し続けるのが『正義』かどうか」(4日毎日から)との疑問も当然出てくる。
 
 軍の立場から見ればどんな旧式な装備でも、武器を持った集団であれば前記したような徹底的な空爆、砲撃、戦車隊の攻撃で壊滅させてしまう。悲劇と言えば良いのか、ともかくイラク兵(人)の犬死が続いているのだ。歴史の流れを知らない指導者に、従わざるを得ない国民ほど哀れな存在はない。イラク兵は開戦以来どれだけ死んだのだろう。死んで行った1人1人は人間であり、名前もあり、死を知って慟哭する恋人、家族もいるのだ。
 
 この一方的の大量殺戮は、フセイン大統領に白旗を掲げる意思が全くない以上大統領の死が確認されるまで続くことになる。フセイン大統領は一体何処に潜んでいるのだろう。大半の見方はバグダットに張り巡らされている地下ごうに潜んでいるとしているが、実際は何処にいるのか全く分からない。
 
 ここで登場するのが地下要塞を破壊する特殊貫通爆弾バンカーバスターだ。人間が作り出す殺人兵器は恐ろしいほど進化するものだ。この爆弾は全長8、4メートル、直径40センチでF15戦闘機から発射され、レーダー誘導で目標を正確に攻撃する。この威力は地下30メートルまたは厚さ8メートルのコンクリートの中まで貫通してから爆発する。これだけの威力を発揮するのだから、当然弾芯は劣化ウランになっているだろう。
 
 仮にフセイン大統領が潜んでいる地下ごうにこの爆弾が炸裂したとしよう。残っているのは、黒こげになった肉片が散乱しているだけだ。どのようにして複数の影武者がいるフセイン大統領本人と確認するのだろう。
 
 フセイン大統領がテレビに登場すると、必ず本人か影武者なのかの分析が行なわれる。驚いたことに、開戦直後のテレビ映像は本人でなく影武者であったらしい。「国防総省は、約30年にわたり大統領の愛人だったという50代のギリシャ系女性に鑑定を依頼。開戦直後の映像は『本人ではない』との証言を得た」という。

 彼女は過去に十数回も影武者を見破ったという。フセイン大統領の本物は何処にいるのだろう。影武者がバスター爆弾で殺され1件落着となり、本物は反米感情の闇の中で生き続けるのだろうか。

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石田ふたみ