『日々の映像』

2003年03月12日(水) 睡眠無呼吸症候群

 新幹線は、最高時270キロのスピードを出す。なんとこのスピードで「ひかり」は走り、運転士は8分間も居眠りをしていた・・・というからショックな話だ。この件だけでなく、いつ眠るかわからない病的な運転手がゴロゴロいるのだ。病的とは次の通りだ。「山陽新幹線でひかり126号を居眠り運転し、専門医の検査を受けていた運転士(33)が、重傷の無呼吸症候群(SAS)と診断された」(6日・読売から)

 居眠り運転が各地でおきている。JR山陽線で貨物列車の運転手(26)が、貨物列車の運転中に、25分も気を失っていたというのだ。この運転手は、身長が160センチ、体重は99キロもあり血圧も高かったという。この運転手も、無呼吸症候群の疑いが強いと診断されている。そもそも、身長が160センチで体重が99キロもあったら、正常な健康体でないことは当然のことで、管理者の責任が問われると思う。

 JR西日本でも、居眠り運転が多発している。「JR北陸線で8日、列車が停車駅を通過するなどの事故が続発したことをうけて・・・列車の運転室に運転士のほか社員1人を同乗させる列車を従来の4倍の200本に増やした」(10日・読売から)という。ここまで来ると深刻で運転士がいつ眠ってしまうか分からないのだ。よって支社が運行する列車の三割・200本が2人体制の運転だというのだ。1人は運転士が眠らないかどうかの監視役で、信じられないロスである。居眠りの中には、SASの場合もあるだろうが、生活管理・睡眠管理のウエートが高いように感じられる。

 前記したSASのように、病的に夜の眠りが浅く、いつ眠ってしまうか分からない社員を抱える企業は重大事である。公的運輸行政上も重大事である。国土交通相は「SASが原因で起った可能性のある事故」を調査するなど、航空・船舶・バスなどの担当者を集め検討会を発足させている。米国のスリーマイル島の原子力事故・アラスカ沖のタンカー事故・スペースシャトル、チャレンジャー、はSASが原因であったとされている。

 睡眠時無呼吸症候群のイロハを毎日の小学生新聞で確認してみよう。「寝ているときに、舌の奥が垂れ下がり、喉をふさいで呼吸が1時止まる病気です。7時間を超える睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上あると病気と診断されます」とある。ノドをふさぐ原因は、形態的異常・肥満のほか何種類かある。しかし、大半は肥満が原因となっている。よって、この病気は、生活習慣の改善が第一になる。治療としては、口腔内装具、外科的手術がある。外科的治療はノドの奥を切除する手術で、よほど重症でないと患者は気が進まないと思う。ただ、この病気を放置しておくと、脳血管障害の合併症のリスクが決定的に高まるようだ。

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石田ふたみ