『日々の映像』

2003年02月08日(土) 中国の企業誘致の規模

 昨日に続いて中国のことを記述したい。安い労働力によって「世界の工場」としての地位を築いているスケールを冷静に受け止める必要がある。中国の輸出は、日本のみでなく、米国やアジア各国に増大している。汎用品では「メード・イン・ジャパン」製が「チャイナ」製に勝てる訳がない。よって、中国の工業化の発展と共に日本製品の世界シェアは減少する方向が十分に予測される。
 なにしろ、外国企業の中国への進出が一年に数万社に及んでいる。「02年に新たに登録された外資系企業は、3万4171社にのぼり、一日90社以上が設立された」(1月15日 朝日から)というから想像も出来ないほどの外国企業の誘致なのである。
 これら外国企業の中国への直接投資額は「過去最高の527億ドル(約6兆3000億円)」に達している。この6兆円を超える対外直接投資は、世界最大規模になっている。これだけ膨大な企業誘致を可能にする体制を作り上げた中国指導部の戦略を直視しなければならない。特殊な技術がベースとなっている製品以外は「チャイナ産」に負ける構図が展開されていくのだ。物を造る企業は、この大前提を明確に捉える必要がある。このような背景の中で、金融をなお緩和して物価を上昇させる・・・などというインフレ論はおかしい。 

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石田ふたみ