10月上旬に田中さんのノーベル賞の受賞以来、同氏の無欲のさわやかさがほぼ連日のように報道されて来た。ノーベル賞の受賞に先立って、研究の仲間4人と一諸に記者会見するなど、仲間に対する配慮がすばらしい。
田中さんは、8日ストックホルム大学で受賞講演に臨んだ。「英語で書かれた原稿を手に時折、客席の元同僚らに視線を投げながら、45分の講演をこなした。」(9日 毎日)という。
驚いたのは、この記念講演で4人の共同研究者の名前を何度も挙げながら具体的に説明したと言う。何という爽やかさであろう。田中さんを中心に仲間5人の絆は固く結ばれ、これからも大きな研究成果を上げていくことだろう。
記念講演を終えての記者会見がテレビで放映されていた。この45分間の講演の練習を20回以上もしたと、田中さんらしい謙虚さで語っていた。しかし、この記念講演の一部の報道を見ると研究者として苦闘した力強さが感じられた。
この講演のほんの一部を引用したい。「大学で化学を専攻しなかった私が化学賞を受ける。私は受賞者の中で最も勇敢な挑戦者であることは間違いない」勇敢とは勇気があり、ひるまずに進ことだ。勇敢な挑戦者・・・これ以上力強い言葉はないだろう。
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