昨日のノーベル賞に続いて、島津製作所(京都・計測機器メーカー)の研究者である田中耕一氏が、ノーベル化学賞を受賞した。2人のノーベル賞受賞者が出ることも歴史初であるが、企業の一研究者が受賞したことは大きな喜びと驚きを持って迎えられた。
日本国内の学術界では、ほとんど無名の研究者が、実はノーベル賞を受賞するに価する内容であるとスウェーデンの化学アカデミーが評価したのだ。功績を正当に評価しなかった国内の学術界は何をしていたのだ!・・・と言う声が出るような気がする。
田中耕一氏の受賞理由は「質量分析法のための脱離イオン化法」(同社のホームページから)と言うものだ。この装置でたんぱく質の質量を精密に計測する道が開かれたのだ。これがノーベル賞になる背景は「ヒトゲノムの解析が終わり、生命科学の焦点は、遺伝子が作り出すたんぱく質の解析に移っている。田中氏の手法はこのために欠かせない技術だ」(毎日から)ゲノムが生物の設計図だとすれば、たんぱく質は生命を支えるミクロの部品に当たる。この分析は、田中氏が開発した装置を使わないと成り立たないという。この技術は、新薬の開発などにも生かされているという。
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