2002年10月08日(火) |
日経平均株価最安値を更新 |
7日の東京株式市場は、前面安となって、前週末比339円55銭安の8688円と急落した。それにしても、この株価は、1983年6月以来というから約20年ぶりの安値の記録である。
なぜ、こんなに株が下落していくのであろう。新聞などの報道によれば、おおよそ左記の理由であるという。
1、 不良債権処理の加速に伴う景気悪化の懸念が広がっている。 2、 不良債権処理が加速された後のデフレを和らげる具体策がない。 3、 銀行が危険水域に入っていることが景気に大きな影響を与える。 などなどである。
しかし、この株安を一番簡単に説明すれば、売りだけあって買い手が少ないのである。小泉首相が今月4日、東京証券取引所を訪れて「貯蓄から投資への流れを作るための税制改革、簡素で分かりやすい税制を作る」と表明した。しかし、この表明は少々滑稽なのである。と言うのは、昨年11月に証券税制は、大幅に改定(?)されたのである。
個人の貯蓄が株式に投資されるようにとのことであったが、株式市場に冷めた目を持つ大衆を引き付けるには、あまりにもケチ臭い税制改革なのである。この程度の税制改革で個人の資金が市場に流れ込むと思っていたのだろうか。この税制が成立してから11ヶ月も経過したが、個人の株式投資が増えたなどという情報は全くない。
このけち臭い税制を一々説明出来ない。1つだけ指摘すれば、3年間に限って譲渡益を10%にしますなどと言う税制に大衆は魅力を感じると思っているのだろうか。大衆の心理が分からない税制では、個人が株式市場に向かう可能性は限りなく少ない。よって、株式市場が上昇に向かうことは当分の間ないと考えるのが妥当のようだ。
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