| 2002年08月15日(木) |
57回目の終戦記念日 |
8月15日ほど人によって受け止め方が異なる事柄はないと思う。戦没者追悼式での式辞に「苛烈を極めた戦いの中で、300万余りの方々が祖国を思い家族を案じつつ戦場に散り・・・」とある。果たして祖国を思って勇んで戦場へ行ったのだろうか。
国権による強制的な動員であったことは事実である。「私達は、現在享受している平和と繁栄が、戦争によって心ならずも命を落とした方々の犠牲の上に築かれていることを一時も忘れる事は出来ません」戦争で300万人が戦場で散ったから今日の繁栄があるとする論旨は、過去を美化しようとする意識が背景にある文脈だ。
私はここで少々の言葉を取り上げて批判しようとしているのではない。ただ、過去を美化しようとする動きには反対だ。歴史の事実をありのまま伝えるべきだ。そうでなければ、天皇陛下の「ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い・・」などのお言葉があっても、ただ文字が流れるのみで、何ら反戦の力とはなり得ない。
過去を美化しない・・これが最も反戦の力となっていくと思う。8月15日は軍国主義が崩壊した日なのだ。終戦などという言葉も巧みに美化している。事実をそのまま表現すれば敗戦記念日になる。
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