| 2002年06月14日(金) |
産業力・知の攻防(森のひらめ) |
日経で5月27日から、産業力・知の攻防と題するシリーズが始まった。これを読んでいると、日本の産業の中で没落している分野もあれば、中国などの脅威を全く感じない企業・業界もある。素人なりに整理すると、地域・企業を含めて何らかの新たなる「知」がないと生き残るのは難しい時代のようだ。
この日経で連載された知の攻防の中で、陸(おか)漁業に関する記事が強く印象に残った。「三菱商事の事業開発部長、中沢輝幸(54)が一風変わったビジネスを推し進めている。人口1300人の大分県上津江村、廃校跡に据えた直径6メートルの水槽四基に5000匹のヒラメが跳ね返る。水質や水温管理が容易で、生育期間は1年と海育ちの半分。水の入れ替えもいらない。この技術の核は、アンモニアや窒素を分解するバクテリア」(5月19日 日経)だという。
1番興味を感じたのは、バクテリアの作用で水の入れ替えがいらないと言う点だ。主要産業が林業だった上津江村で、森のヒラメの商品名で今秋から次々と市場に届くというから結構な話である。新潟の山間部の森は、近年の木材の暴落で山林としての財産価値がゼロに近づいている。この意味で森の漁業は大いに注目されて良いテーマだ。
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