『日々の映像』

2002年03月08日(金) ダイエーの再建計画

 新聞では「再建計画発表・金融支援5200億円」などと報道されていたが、企業会計の基本を知っている人の目から見れば、再建にはほど遠い内容と映るだろう。その理由を少々記述しよう。まず、60店舗の赤字店を閉鎖することによって、02年2月時点で4500億円損失が発生する。今回の発表は、この欠損金をどう埋めるかと言う内容だけである。
 銀行の損益的な支援は、債権放棄・優先株減資の2900億円である。残りは、ダイエーの資本金1120億円の99%の減資と資本準備金684億円を取り崩して4699億円の赤字相殺減資を作る。これだけだとダイエーの資本金はほぼゼロである。そこで銀行の貸付金2300億円を株式化する。
これでも「連結で600億円の株主資本」だという。(2月29日 日経)
 この再建計画は最終損失4500億円のツジツマを合わせただけである。たしかに前記の債権放棄と債務の株式化でダイエーの借入金は「1兆6600億円」から「3000億円」減少して瞬間的に1兆3600億円になる。しかし、店舗の閉鎖資金、連結で5000人の退職で資金が必要になる。60店舗の簿価が仮に1500億円であるとすれば残る3000億円の赤字要素は、すべて現金が必要なのだ。今回の再建計画は、損益面の説明のみで1番重要な資金の収支説明が全くない。
 まず、この再建計画での資金の収入の面から見てみよう。債権を放棄してもらっても、債務を株式化してもらっても、ダイエーには資金の流入がないのである。こんな状態でどうして60もの店舗を閉鎖できるのだろう。どこから5000人もの従業員の退職金を用意するのだろう。肝心の資金面の説明がない再建計画では、市場及び納入先の反応は冷ややかにならざるを得ないだろう。主力3行(UFJ銀行・三井住友銀行・富士銀行)は、ダイエーを生かすためにまだズルズルと貸付金を増やすことになると思う。「主力3行の体力の範囲内での再建策に過ぎず、抜本的な収益改善計画からほど遠いといえる。逆に行政介入で再建計画に『官製』色が強まった分、計画を遂行するダイエーの当事者能力に疑問を抱かせる結果になりかねない」(2月28日 毎日)ダイエーは生き残ることができるのか。

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石田ふたみ