『日々の映像』

2000年03月11日(土) カドミウム汚染

 3月8日の毎日新聞に「昔話でないカドミウム汚染」の記事が大きく報道されていた。日本人は猛毒のカドミウムを少量とはいえ「その摂取源として一番大きいのは米だ」というから厄介である。このテーマはとても一枚には収まりそうもないので、記述しようかどうか迷っていた時、たまたま高校時代の同級生に会った。顔色が悪いので具合を尋ねると、腎臓が悪く2日に1回人工透析に通っていると言う。詳しくは尋ねなかったが、腎臓障害が重く小便も出ない状態であるとのことだった。

 世界保健機構(WHO)の勧告では「(累計の)総摂取量が2グラムになると、腎臓障害がより多く発生する。カドミウムが腎臓に蓄積して障害が起きるのは30年〜50年かかる」(3月8日 毎日)となっている。同級生は私を含め60年間も米を食べて来たから、友人の腎臓障害は、カドミウムの蓄積が原因かも知れないとふと思った。

 WHOでは「穀類・豆類の安全基準値を0.1あるいは0.2PPMにする案が検討されており、今年度中に0.2PPM以下が採用される可能性がある。」(3月8日 同)という。一方、日本では「1970年に米(玄米)のカドミウム含有の基準値を1PPM未満と定めた。しかし、『当初から高すぎるのでは』との議論があり、食糧庁は0.4〜1PPM未満でも“準汚染”として食用に回さない措置を執っている」(同)

 新潟県でも昨年秋にカドミウム汚染米が見付かり、生産農家が困惑しているニュースが大きく報じられていた。日本の米のカドミウム汚染は、特定の場所のみのことではなく、全国規模に広がっている。「食糧庁検査課は、カドミウム汚染の実態を探るため97年・98年に全国で約3万7000点の米を調べ、汚染濃度別の内訳を把握しているが『公表すると受け取り方によっては、誤解を生ずるので、0.4PPM以上のケース以外は公表できない』としている」(3月8日 毎日)すなわち、日本の米のかなりの量が0.2〜0.4PPMのカドミウム汚染米なのである。

 どうして、日本の米がカドミウムに汚染されているのだろう。「かつて、鉱山があった周辺の水田の土壌では、今もカドミウム濃度の高い処が少なくなく・・・」(同)とあるように戦前、日本の各地に小規模な鉱山が無数にあった。時折、新聞をにぎわして来た朝鮮人の強制労働による国策鉱山である。私は新潟県の元鉱山跡を3〜4ヶ所知っているが、この鉱山を源とする小河川では、今でも死の川となっている所がある。カドミウムの重金属が流れ出しているため魚は住めない河川となっている。この水が大河川に流れ込み稲作に使われているのだから日本の殆どの米は、少量のカドミウム汚染米となっているのである。

 世界保健機構(WHO)が、カドミウム含有の安全基準値を0.1あるいは0.2PPM位上に定めると「現在流通している米の一部が汚染米として出荷できなくなる恐れが出てくる」(同)

 このカドミウム汚染米の長文の記事を読んで、次のことが思い浮かんだ。
・強い解毒作用のある食べ物を習慣的に食べる必要がある。私が知っている範囲の代表はゴボウである。このゴボウのことが農業新聞に出ていたので少々引用すると「ゴボウは食物繊維が豊富な事は良く指摘されるが、このほかに解毒作用の強さから古くから民間療法に使われて来た」「解毒作用が強く、腸の悪玉菌を排出する」「苦味配糖体のリグニンが発ガン物質を無毒化する」などの効果がある。家庭でどじょうの柳川はそうそう作れないが、肉を入れた柳川鍋は簡単に作れる。ともかく解毒作用のあるゴボウを食べて、体の中に入るカドミウムを早く体外に排出することだ。

 

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石田ふたみ