過日の新聞で「官の常識を断ち切らない限り改革は進まない」とあった。この常識という概念について昨年の夏ごろ、ものの考え方の根底を揺さぶられる一文に会う。現代物理学の頂点を極めたアインシュタインの言葉であった。
「常識とは、18歳以前に心に沈殿してつもりにつもった偏見以上の何物でもない。それからのちに出会うどんな新しい考えも、この常識の概念と戦わねばならない」とあった。過去に身に付けた常識にこだわる人には、新しい思考が、頭の中に入らないのである。
俗に「頭が固い」という言葉があるが、18歳までに心に沈殿した考えに固まった人のことをいうのだろう。過去に沈殿した自分の常識に拘っている人は実の多いのである。柔軟さを失った頭脳の人は、今社会の問題となっている認知症コースを辿ることは必至と言わねばならない。
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