1996年01月15日(月) |
017、浅井隆氏 (著)『最後の2年 |
浅井隆氏 (著)『最後の2年―2007年からはじまる国家破産時代をどう生き残るか』
内容紹介 2年後にせまった経済大変動 1ドル=200円時代がやってくる。 金利が暴騰し、円が暴落する中であなたの生活は? いよいよ財務省内部に預金封鎖特別研究チームが発足し、ハイパーインフレを切望する声も。 目次 第1章 2007年から始まる国家破産時代 第2章 ドルも円も紙キレとなるのか? 第3章 トヨタ、キャノンは国外脱出へ―そして個人資産も海外へ逃げていく 第4章 巨大なスタグフレーションが日本を襲う 第5章 あなたは財算と老後を守ることができるか 第6章 大混乱は2030年まで続く―21世紀の恐るべき姿
5年前より明らかに財政は悪化してます。今年6月国債発行残高は、史上最高(795兆円)となりました。税収は50兆円未満しかないのですよ。 国債依存度、41.8% 国債収入のうち53%は、国債の返済に回っています。国家財政が債務超過であることは、マスコミで発表済みです。身震いするような内容です。 対策は、本書にたくさん書かれています。 税金の無駄遣いをするな。公務員を減らせ。防衛費を減らせ。法人税率をあげろ。金持ちからもっと税金を取れ。いつまで同じことを言ってますか。絶対にできません。日本の税収の80%がなくなりますよ。 もう税金を上げるしか方法はありません。でも消費税は5%のままです。早く上げないと手遅れです。 今までの付けが一度にやってきます。 予測が外れたらラッキーと思えばいいじゃないですか。
そう遠くない将来、日本に遅いかかってくるであろう”大津波”についてこれから重大な話をしよう。 では、その大津波の正体とは何か。それこそ「国家破産」である。
というのも、今度やってくる状況は単なる政府の財政状況悪化などという生やさしいものではないからだ。 多くの読者はご存知かもしれないが、実は私たちが住んでいるこの日本は10年ほど前から政府が毎年とんでもない額の借金をしまくってきたのだ。その結果どういうことになったか。2005年6月現在で、日本国政府全体(国、地方自治体、財投等を合わせたもの)が抱えてしまった借金の総額は1100兆円近くまで膨れ上がり、その上に毎年57兆円(これは中央政府である国だけの増加分)もの借金が積み上がっているのだ。しかもこれは、最終的に私たち国民が身銭を切ってあがなわなければならないものだ。もはやこの「借金の加速度的膨張」は誰にも止めることができない。 となれば、近い将来この日本で一体何起きるのだろうか。 おそらく一番最初にやってくるのは世界的インフレ傾向とあいまって日本の長期金利の急激な上昇だろう。 それは日本国債の”暴落”を意味する。逆に今まで信じられないほどの低水準にはりついていた分(というより、政府、日銀が必死になって押さえ込んでいた分)、長期金利がはね返ったときのスピードと反動はすさまじいものがあるだろう。実際、政府の経済諮問会議自体が「最悪の場合、長期金利が6〜7%にはねあがるかもしれない」というレポートを2005年1月にまとめている。
では、本当に長期金利が6〜7%になってしまったら、どういうことが起きるのか。 いずれわかることなので、今はっきり結論を言っておこう。おそらくあなたの全財産は10〜20年かけてほとんど消えてしまうことだろう。 もっと別の言い方をしよう。あなたの老後はほぼ間違いなく”絶望的”なものとなるはずだ。 なぜか?!
現在すでにある公的部門全体(国、地方自治体に財投を合わせたもの)の借金1100兆円弱すべてに6〜7%の金利がかかるわけではないが、それでも4〜5%程度の金利負担が生じてしまうからだ。そこで、その中間の4.5%でシミュレーションしてみよう。すると恐るべきことがわかる。1100兆円の4.5%は約50兆であり、現在の日本国の税収44兆円をはるかに超えてしまうのだ。つまり、税収をすべて投入しても借金の利息分さえ払えなくなるわけで、「政府が予算を組めなくなる」という前代未聞のことが起きてしまう。とすると、どういうことになるのか。
政府自体がますます信用を失って、さらに国債の価格が下がってしまうのだ。すると、国債を大量に買っているところが大変なことになってしまう。損で首が回らなくなるのだ。では一体、今国債を大量に保有しているところはどこか。 それこそ、日銀、銀行、生保そして郵貯だ。つまり、日本を代表する金融機関がすべて身動きがとれなくなるわけだ。 すると国民はどういう行動に出るだろうか。我先に金融機関からお金を下ろして、外貨に換えるかモノに換えようとするだろう。金融不安の発生である。バブル崩壊後のデフレによって大きく損傷を受けた銀行や生保は再び致命的な打撃をうけることになる。
さらに100兆円もの国債を保有する日銀そのものが危うくなり、それは即「国家的危機」を意味する。というのも、日銀は日本の通貨である円を発行する中央銀行だからである。100兆円の国債の損失で日銀の首が回らなくなれば、私たちの財産の根源である”円”そのものが急落する。私たちの財産の没落がこのときに始まるのだ。ハイパーインフレへの準備がついに始まると言ってよい。
そして大変恐ろしいことに、今回の”危機”はきわめて長期間にわたって私たちの生活を襲い続けることになる。デフレは15年の長きにわたって日本経済を揺さぶったが、国家破産という地震の規模と揺れの長さはその比ではない。 今回のデフレを震度4とすれば、次にくる国家破産は震度6〜7というすさまじい衝撃であらゆるものをなぎ倒していくであろう。しかも、おそらく2030年頃まで続くと覚悟しておいた方がよい。その理由と詳しい中身については本文に譲ることとするが、いずれにしても2005年〜2007年(のどこかまで)は「最後の平穏な2年」として、将来歴史の教科書に書き込まれることとなるであろう。
では、あなたは座して死をまつのか、それとも立ち上がって危機に備えるのか。この2年の行動があなたの未来の運命をすべて決めると言っても過言ではない。
浅井 隆氏 (著) 『最後の2年』プロローグより抜粋
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