やんの読書日記
目次昨日明日


2006年01月13日(金) 蝉しぐれ

藤沢周平作
文春文庫

ドラマや映画で話題になっていたけれど
さわりの部分しか見ていなかったので
文庫で読んでみた。

引き込まれるような、情景描写
かなりの緊張感を呼ぶ物語なのに
沈着冷静な少年がいる。
父を謀反の疑いで切腹させられた
文四郎は心の奥に悲しみも怒りも
しまいこんで、ひたすら剣の修行に励む
幼馴染のおふくが藩主の側室になっても
その苦しみをあらわさない。

剣の試合でも
お福を救出する場面でも
仇の家に物言いに出向く場面でも
その冷静さは不動のものだ
この静けさはどこから来るのだろうか

ひきつけるものはこの静けさだろうか


やん |MAILHomePage

My追加