やんの読書日記
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2005年01月04日(火) 剣闘士スパルタクス

剣闘士スパルタクス


佐藤賢一作
中央公論新社

世界史に出てくる剣奴の反乱
首謀者はスパルタクス
奴隷からの解放をめざして立ち上がり
三頭政治のひとりクラッススによって
鎮圧される。
それだけの知識しかなかった。
スパルタクスがトラキア人の一級剣闘士であった時代、
物語の前半の闘技場での試合の様子が臨場感たっぷり。
またスパルタクスの自尊心と退廃しかけた気持ちの
両方がよく表われていて面白かった。
映画やサトクリフの本などで出てくる剣闘士と
変らない戦い方、観客の様子に
サトケン文章の魅力に引き込まれた
強い癖があるけれど、正確で細かい描写であきが来ない
スパルタクスは、剣闘士の自分に誇りを感じていたが
奴隷であることから解放されたかった。
剣闘士仲間と陰謀して脱出はするけれど
農奴と合流したことから彼の心が揺れ動く
自分は骨の髄まで剣闘士であることを自覚せざるを得なかった
ところで敗北するのだ。
ローマ軍団に連戦連勝していながらスパルタクスに
心の闇が現れてきてそこがまた面白い。


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