バビロンまで何マイル?
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私の仕事は「流しの実験屋」と最初に書いた。そう聞いてみなさんが思い出すのはたぶん「ノーベル田中さん」なのか?と今日実験してて思ったのよ。 「島津製作所の研究員」て聞いて私は「ほー」と思ったんだが、考えてみると田中さんがノーベル賞もらうまで、島津製作所なんて医療関係の人か研究所にいる人しか知らなかったよね。 私も(今は使ってませんが)島津製の分析機器を一度に5台使って仕事してたこともあります。いやあ丈夫なんだ、島津の機械は。メンテナンスも自分でできるし。メンテ好きの私にはぴったし(笑)。
そだな、確かに研究所にはあんな感じの人はけっこういるかも。 最初の会社(正社員だったとき)の上司はあんな感じののんびりした人。でも広島出身で怒ると怖かったし、野球シーズン中は広島カープが負けるともっと怖かった(笑)。食が細くていつも愛妻弁当を半分残してて、養命酒を愛用してたけど、少しは丈夫になったかな? 前の派遣先の上司は顔が田中さんにメガネかけた感じの人だった。この人は東大の博士様で、野田秀樹と同級生だったらしい。(普通は出身校なんて言わないから、そう言われて初めて「あ、東大なんだ」って思った私^^;;)この業界もそれなりに長い私は「東大卒はヘンな奴ばかり」という偏見を持ってたんですが、この人は非常にいい人でした。 生まれたばかりの一人娘を溺愛してて、キャラクターグッズもらうと「うちのチビが喜ぶなー」と顔をほころばせるかわいい人だったなあ。
でも今の職場には田中さんぽい人はいないな。なんつーか研究所の割にはのんびりしてないし。それにそもそも「田中さん」いないし(それは関係ない)。
去年の田中さん騒ぎを見ていて、同業の友達とよく話していたのは「早く静かに仕事したいだろうね」。 研究者という人種は、「ただ研究するのが好き」でやってる人がほとんどなんかじゃないかと思う。で、結果は(特許を取るとか、自分の関わった新薬が上市するとかいう形で)後からついてくる。 私が言うのも何ですが、(特に企業の)研究者で名声とか欲しがってる人って、実はあまり社内での成果は出してないんじゃないかと言う気もするです。 田中さんだって、欲しいと思ってもらったノーベル賞じゃなかったでしょ(と、発言を聞いて思ってたんですが)。彼にとっては棚からぼた餅…もとい、ふってわいた災難だったのかも知れない。田中さんの理論を実用化に持ってったドイツの科学者が「本来ノーベル賞は自分がもらうべきだ」って騒いでたんだけど、面と向かって言われたらきっと「あーそうですか…じゃあ代わりましょうか?」とか言いそうだもの。
騒ぎもすっかり下火になって、田中さんはやっと落ち着いて仕事できるようになったんだろうな。同じ職場だったら、「良かったですね」とお茶の一杯でも出してあげたい気分だ。
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