若かりし頃の証明写真が出てきて、3つを並べて見比べると、みごとに顔の老化具合が手に取るようにしてわかるものだった。たるんでくる顔の皮膚は正直だ。 引き出しのかたづけがおっくうなのは、昔の記憶が雑音のように心に蘇るのを恐れるところがあるからなのかなと、変な納得をしてみたり。眠りの中の夢で、いつもは見ないようなわけの分からない雑然としたものを追っていたりするのに気がつくときそう、思った。
気候が優しくなってきたから、外へ出かけたい気分も盛り上がりがちなところ。満喫してもよさそうなのに、引き止めているものは、何だろう。ひとりぽっちで、街中をうろうろするのも、楽しむストーリーが見つからないような、想像力のなさというか。過去をなぞって感慨に浸るようなことにも、もう飽き飽きしている。
新しい何かを始めたい。自分の心の汚れ、垢落しね。自分を建て直したい。 後ろの事はもうどうでもよくなった。 これまでは過去の自分を影のように引きずりながらもきちんと、向き合う事もできなくて、心の闇に押されていた。それを証明するかのような部屋の隅ずみに固まる重いほこりをかぶったモノたち。そして蓄積したほこり、ごみそのものたち・・。
ようやく そんな自分に別れを告げられるときはやってきたと思える。 そんなことを考えていたら、ここへ住むようになった日までちょうど一週間であることに気がついた。その日がくると丸22年か。無事にここまで生きてこられたことを感謝!
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