黒ラブ日記








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2007年01月26日(金) 第649話 遠い国からのメール

メールチェックをしたら、遠い国からのメールが来ていました。
最近大切な愛犬を失った方からでした。

その方のメールの最後にある、
「如月さん、一 日一日を大切にして下さい。
 そして、その日々を十 分楽しんで下さい。
 でも少しの変調がみられたら、 すぐに検査を受けさせて下さい。
 自分の犬を助けら れるのは、獣医ではありません。私たち飼い主です。」

という言葉を何度も読み返しました。

この世から一足先に旅立った美しい姿を眺めつつ、この子を失った方の悲しみを思いやると胸が一杯です。
同じ悲しみを、私たちは全員がいつか必ず経験するのですから。

遠い国で、今も悲しむその方の背中に心の手を添えて、美しいその子が全ての苦痛から解放され魂が安らでいることを信じて冥福を祈ります。



2年前に友人を癌で失ったとき、しみじみ思ったのは
「明日が今日の続きである保証はどこにもない」と言う思いでした。

乗りたかったバイクに乗ろう。
ノアと行きたかった場所に行って見たい景色を見よう。
そう思ったのも友人のことがきっかけでした。


明日やれることは今日はやらない主義だった私が、怒涛のように毎週出かけているのは、たった1ヶ月未満の闘病で二度と会えなくなった友人が教えてくれた「今」の大事さに気がついたからです。


ノアの胸のしこりを発見して検査結果が出るまでの2日間、最悪のことばかり考えて、この子がいなくなったら私はどうやって笑ったらいいのか、どうやって朝を過ごせばいいのか、どうやって眠ったらいいのか、と一人布団の中やお風呂の中で泣いてました。

ノアは私にとって子供たちとなんら変わらない大事な存在です。
子供たちはいつの日か私が死んでも一人で生きていけるようにしてやるのが私の役目ですが、ノアの場合は最後の瞬間まで守ってやるのが私の役目。

たまに「子供よりも犬が大事なんでしょ。」と犬と暮らしていない人に言われますが、寿命が短く一生自立することがないノアの場合、大きくなった子供よりも手をかけてやらなければならないのは当たり前だと思っています。

胸のしこりが良性とわかったあと、ノアの気の済むまで散歩のはしごをしました。
時間に終われないで過ごす休日の散歩は豊かな時間です。


(この下は何があるのかな)
このつり橋を渡るとき、必ず下を覗くのがノアのきまりです。


沼が見えるこの場所でじーっと景色を眺めるの、ノアは大好きです。

車でさらに沼まで行ってみました。


(泳いだらだめなの?)



私たちは、寿命の短い犬を家族として迎え入れた瞬間から「いつか必ずやってくる深い悲しみを受け入れる契約」を人生の神様と交わした者同士という仲間です。


仲間の悲しみを自分の悲しみとして一緒に涙を流したいと思います。



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  如月 [HOMEPAGE]

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