2005年07月13日(水) |
第483話 ノアは忘れない |
95歳で大往生した私の祖母は、今から112年前の生まれの人で、なかなか面白いことを私に教えてくれた人です。
そのうちの二つを紹介すると・・・
その1 「気が狂って暴れてる馬に近寄ってはいけない。若い衆が取り押さえようとしてすっぱり丸く腕の肉を噛み取られたのを見たことがある。」
その2 「犬をいじめてはいけない。犬は自分をいじめた相手のことは死ぬまで忘れないものだ。」
というのがあります。
まあ、気が狂った馬に肉を噛み取られることはこの先無さそうですが、犬の話は確かにそうだと思うことがあります。
ノアは、自分に意地悪した犬を忘れていません。
1頭は、散歩デビュー間もない生後4ヶ月のときに、尻尾をいっぱい振って歓迎していたノアに駆け寄ってきていきなりガブガブ噛んだシェルティ。 ノアがおなかを出して悲鳴を上げても噛んでたなあ。
そのシェルティは、ノアのどこが気に入らないのか今でもすれ違うと延々吠えます。 いつもは吠えられても知らん顔するノアが、この犬にだけは敵意むき出しで唸ります。
もう1頭はノアが1歳になる前に、繰り返し人間の幼児みたいな意地悪をしたハスキーミックスの子。
ハスキーミックスの子は、ノアと同級生なんだけど、ノアがボールや木の枝遊んでると必ず寄って来てはそれを取り上げる子でした。
まあ、あの頃のノアは誰に対しても低姿勢だったんで、 (あ、ごめんなさい。はい、どうぞ・・・)と自分のおもちゃを差し出してじっと待ち、その子が遊び飽きると急いでまたおもちゃを取りに行ってました。
しかしそのハスキーミックスのこは、ノアがおもちゃを咥えようとすると、公園のどこにいても走って戻ってきて「ガアッ!触るんじゃない!」と威嚇するわけですよ。
人間の子供が公園の砂場にいてもこういうことあるよなあ、犬も意地悪なヤツっているんだなあと感心して見てた覚えがあります。
2歳過ぎて自分に自信がついたあたりから、ノアはそれらの犬を見ると背中の毛を総立ちにさせて唸るようになりました。今でも同じ。 よっぽど悔しかったんだねえ。
どっちも0歳の頃の話なんで、丸々4年はたってるんですけどね。 相手に会う度に記憶が強化されることはあっても、風化することはないようです。
された意地悪を忘れないように、優しくされたことも忘れないんですけどね。
優しくされたことを忘れない話は、次回に。
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