2005年01月07日(金) |
第409話 ミミちゃんを探して |
先月、なんだかノアはボロボロぬいぐるみのミミちゃんに固執していました。 ミミちゃんはもう3年以上もノアの心の友でした。
普段でも、寝るときはくわえて来てひととおりマウントして振り回し、あちこち齧ってみたりしていたのですが、12月中、やたら食いちぎっては布切れのかけらを飲み込んでしまうことがありました。
ぐえっ!とかおえっ!とか食道のあたりに張り付いた繊維を出そうとしてる様子を見て、これは危ないな、と。 消化管に繊維が張り付くと、そこから潰瘍になり、手術になると以前病院で言われていたのです。
今までも、あまりのボロボロさに捨てようとしたのですが、そのたびにノアは我が子がさらわれた母犬のように 「ピィピィピィ・・・」 と目を細めて頭を下げつつ悲しげに鳴きながらゴミ箱の周りを離れなかったんですよ。
まさに「哀れを誘う」様子で。 そのたびに見張りつきで渡していたんですが、今回はさすがにだめ。 かじったかけらを飲み込むならミミちゃんを渡すわけには行きません。
ノアの散歩中にミミちゃんをゴミ袋に入れて匂いが漏れないようにして密封し、処分しました。
その日の夜から・・・・
ノアはそれこそ家中を探しった挙句、以前なんどかミミちゃんをしまったことのある押入れのふすまの前に座り込み、
きゅうぅぅぅぅん・・・・・
それはそれは切ない声で鳴くようになりました。 「ミミちゃんいないよ。」 そういって押入れを開けて見せても、前を動かず、しばらくあとにあちこちうろうろと歩き回ります。
不憫に思って代わりのぬいぐるみを手渡すも、まったく興味を示さず。 「きゅぅぅぅん・・・」 昼寝・夜寝の前になると、悲しげに鳴きつつ探していました。
1ヶ月たった今、やっとミミちゃんのことを探さなくなりました。
昼間、何時間か留守番しているノアは、一人でいる時どう思ってるんでしょうねえ。 (私のミミちゃん、いなくなっちゃった)って、まだ覚えてたりするのかなあ。
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