黒ラブ日記








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2004年09月20日(月) 第364話 節操が無い私

実家で暮らしていた子供時代にいた犬たちは、食べるのが好きではあったけれど、ノアほど常におなかを空かせている犬はいなかったように思う。

なんでこうも食べ物に執着するのか、と。
成長期を過ぎて人間で言えばそろそろ中年太りが始まる年齢になって、ノアの食欲は治まらない。

TVで「うちのワンちゃんはこんなものを食べまーす」ってやってるのを見ると、たいていラブラドールなところを見ると、犬の種類にもよるのかな。




ずっと昔日記にも書いたけど、ノアは1度だけ(もうだめ!食べられない)というほどドッグフードを盗み食いしたことがあった。
量にして大きい洗面器1杯以上。

胃の中で膨れ上がったドッグフードに、苦しそうに肩で息をして心配させたけど、多分あれはノアの一生に一度の大満腹なんだろうと思う。


ここまで書いて思い出した。

ノアはもう1回やってた。大盗み食い。
確か1歳前後の頃で、台所へのはめ込みガラスの重い引き戸を、自由に開けられるようになった頃。

仕事がお休みだった私が、朝1番でパン屋さんの焼きたてホテル食パン(1.5斤)を買って、蒸気を逃がすべく箱の蓋を開け、家事をしていたとき。

なんだかすごく胸騒ぎがして途中で台所に駆け込んだら、ホテル食パンの空箱が転がっていたっけ。



閉めたはずの引き戸が開いていて、「うそお!全部食べちゃった!?」と叫びながらリビングに入ったら、ノアが

(ごめんなさいー、ごめんなさいー)
とリビングの隅で体を低くして横目でこちらをうかがいながら尻尾を振っていたっけ。

口の匂いを嗅ぐとまさに焼きたてバターたっぷりのホテル食パンの匂い。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

怒るよりも先に心配でした。
バターたっぷりの食パン1.5斤。

ああああ、下痢するよぅ!って思ったんですよ。

しかーも!

台所をチェックしたらお米の袋、縛ってあったヒモがほどかれてて、あたりに生米が少し散らばっていた。

「生米も食べましたか・・・」
ゲリラ確定。大確定。


その夜からの散歩はもう、どきどきもので、新聞紙を三角錐の形に丸めたものを持って田んぼ方面に行き、ポーズを構えたら肛門に当ててゲリラを受け止める、という方法でしのぎました。


ところがね・・・

ノアの盗み食いを忘れて長男がうっかり住宅街に散歩に連れて行き、後100mほどで我が家、というところで、猛烈なゲリラ攻撃。。。

走って帰ってきた長男が、泣きそうな顔で「ノアの足、洗っといて!」と叫んでバケツに水を入れてまた飛び出していく。

恐ろしいことにご近所の玄関先でゲリラ攻撃にあったらしい。
「お母さんもやるから。」
と二人で何度も何度も夜の住宅街をバケツ持って走ったことは忘れられない。



ノアは1.5斤食べつくしたときに、「ここを開けてはいけない!」と母が鬼のように怖い顔で何度も引き戸を指差し、バンバンと床をたたいて叱ったのでそれ以来、留守番のときも開けないようにはなりました。

ただし・・・

引き戸と柱の間に隙間が開いてるときは別。
隙間が開いてると、OKだと思うらしい。
遠慮が無い。

さくっと開けて入ってくる。
次の課題は「隙間が開いてても人がいないときは入らない」。


高度すぎるか・・。


台所は出入り禁止にすればいいんだろうけど、そうすると私と一緒にいる時間が大幅に減っちゃうから可愛そうだなあ。。。。

帰宅した私が料理したり茶碗洗ったりしてる間、昼間留守番をしていたノアは足元で私をじーっと見つめている。

せっかく私が帰ってきても、そばにいられない、っていうのは可愛そうかと。。。。


あー、ノアを好き過ぎて節操が無い私ですね。。。


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  如月 [HOMEPAGE]

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