2004年09月13日(月) |
第361話 24歳の猫の話 |
社会人の息子と24歳の猫と暮らしてるOさんの話です。 文中、「オレ」と言ってるのはOさん(女性50代後半)です。^^;
「うちの猫は24歳になるまで予防接種以外で医者の世話になってないの。 前の猫は病弱で病弱で、オレ、ひと財産使ったもんだのに。
今の猫は食の細い子で、子猫のときから1日1缶を3回に分けて食べるんだよ。 人間の食べ物には一切興味を示さなかったんだ。 缶詰だって、同じ種類は2日続けて食べなくてさぁ。 犬と違ってダメつったって鳴きやまねんだもん。」
「それが20歳過ぎるころから人間のものしかたべなくなったんだぁ。 体に悪いったって、もう缶詰なんか絶対に食べねぇんだもん、しょうがねぇべよ。」
「腹減ってくっと、オレの顔見てつらそうに鳴くんだよ。 それも気に入った食べ物が出てくるまで鳴くんだよ。 これか?それともこれか?って、猫の前にいろんな食べ物出して聞かなくちゃなんねんだよ?」
「おとといはマグロの刺身。昨日は牛の赤身。今日は何やっても鳴きやまねぇから息子が大事に食べてる舶来のチーズ、息子に隠れてちょこっとやったら鳴きやんだわ。」
「猫も20歳越えると人間の食べ物欲しぐなんだわな。」
「あの子は病気でオレに苦労かけなかったから、最後に食べたいもの食べさせてやんだ。 ンでも、オレも疲れっちゃったよ。
オレはお茶漬けサラサラで十分なのに、仕事帰りにスーパーに駆け込んでさあ。 猫には刺身食わせてんだよ?」
「今朝はあんまり食べ物の世話が大変だがら、 『お前も年に不足は無いべ?ちゃんと供養してやっからいつ逝ってもいいど、』って話しかけたんだよ。
歯がぐらついてほっぺに刺さって、ほっぺたに穴あいても治るような生命力強い猫だがらさあ、ありゃ当分お迎えこねぇな。」
24歳かあ・・・。
Oさんがバリバリ現役で店を維持して女手一つで息子育ててたときからの戦友みたいなものだねぇ。
Oさんはああ言ってるけど、その猫が死んじゃったら、がっくりくるんじゃないかなあ。
それとも「オレはやるだけやったよ」って納得して笑顔で送れるのかなぁ。
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