2004年07月29日(木) |
第340話 相性なんだろうけど |
最近公園でよく出会うようになったオス犬がいる。 黒い体に不思議な感じの白い毛の模様。 華奢で立ち耳。 ノアより一回り小柄で、体重はノアより10キロは軽いはず。
何十メートルも先からノアを見つけてはピタリと立ち止まって 「ピィピィピィー」 と、オス犬独特の鼻の鳴らし方をする。
ノアがいい匂いの時期ならともかく、全くなんでもないときにそんな風に鼻を鳴らすオス犬は少ない。知り合いの犬の中でも4〜5頭くらいか。
そんな風に鼻を鳴らされても、ノアが相手に興味を示すとは限らない。 完全に無視したり、近寄られても (しつこく匂いを嗅がないでよ) と露骨に嫌がることも結構ある。 気の小さい私は恐縮しまくり。
なのに、この犬の場合はノアも尻尾を振って愛想良く近寄っていく。 あれれ? ノア、お前はがっちりとした大型のオスが好きだったんじゃ?
あまり見かけない不思議な白い毛の模様なので 「何歳なんですか?」 と尋ねたら12歳だそうで。 白い毛は模様ではなくて、「しらがなのよー」だそうで。
12才・・・ 人間で言ったら60代半ばですか・・・。
60代半ばで30歳ほどのノアにご執心。 そしてノアもその老犬がお気に入り。 私にはわからない何かが2匹の間にあるのね。。。
それにしても、ノアはほんとに熟年犬が好きだなあ。
近所の2歳半(人間の26才くらい)のピチピチした黒ラブの男の子に『ノアちゃん大好きビーム』を振りまかれても (そばにこないでよ!匂い嗅がないでよ!) と怒るのに、12歳のこの犬に対しては、顔の前まで低い姿勢で近寄り、頭を丸くして目を細めて (よろしくぅ) とひっくり返っておなかを見せたりする。
以前ノアが夢中だったシベリアンハスキーも、確か10歳をすぎて(人間の50後半)いたっけ。 彼らの何がノアを惹きつけるんだか。
もしこれが野性の世界であったなら、ノアの子犬の父親になったとしても獲物をちゃんと持ち帰れるのかなあ? 年を取りすぎてるってことはないのかな?
『家族を養い、敵から守ってくれる能力』のあるオス犬がモテるんだとばかり思っていたけど。
そんな単純な理由だけでは決まらないんだねぇ。
なんにせよ何か惹かれる理由があるに違いない。 それが相性といわれるものなんだろうけど。
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