2004年06月04日(金) |
第315話 おっかさん、ごめんよ |
昨日の朝、朝もや煙る中、田んぼのほうに散歩に行きました。 幅3メートルほどの用水路に沿って歩いていると、それまで私のやや後方をだらだらと歩いていたノアが、いきなり草むらに向かってダッシュしました。
猫のいる住宅街ならともかく、田んぼでは珍しいことです。 「なに???!!!」 伸びるリードを慌ててロックして両脚で踏ん張り、ノアの暴走を 食い止めました。 同時に「ガアガアガアガアッ!!」というけたたましい声。
道端から1メートルほど入った草むらから、ワラワラとカルガモの親子の団体が用水路に飛び込みました。
3羽いる成鳥のうち1羽は、右の翼を折れ曲がったように水面に激しくたたきつけ、派手な悲鳴のような声を出しながら左の方向へ。 10羽ほどのかわいらしい雛は、茶色とクリーム色の縞々の体で必死に右のほうへ泳ぎ去ります。
一瞬のことなのに、その連係プレーは見事でした。
背中の毛を総立ちにさせて水に飛び込もうとするノアをリードで抑えながら、「やめ!ノア!だめ!」と声をかけつつ踏ん張る如月。
カルガモのおっかさんは、私たちがさっさと立ち去らないと見るや、一旦隠れた草むらからまた飛び出してきて 「ガアガアガアガアッ!!」 と激しく右の翼だけでばたつきながら更に左へ。
「あー。。ごめんよ、ごめんごめん」 思わず声に出して謝ってしまいました。
朝の5時10分。 まだ親子でゆっくり眠っていたかったよね。 いきなり黒いでかい犬が駆け寄ってきて、さぞかし肝を冷やしたよね。
用水路からノアを引き離して歩き出すと、3羽のカルガモはゆっくりと雛のほうに泳ぎ去っていきました。 あー、私もびっくりした。
カルガモって、あんがい無防備なところで夜を明かすものなんだねえ。 あれじゃ犬やイタチにやられちゃうんじゃないかねえ。
しばらくして沼にたどり着くと、たくさんのバードウォッチャーがカメラを抱えて集まっていました。 そこには白鳥の夫婦が5羽の雛を従えて、ほんの手が届きそうなところでくつろいでいました。
よく見ると、くつろいでいるのは雛だけのようで、白鳥の両親からは目に見えるような警戒心のオーラが漂っていました。 白鳥の近くに寄りたがるノアをけん制しながらそちらへ歩いていくと、 「今年は全部巣立つといいねえ」 「犬にやられることもあるからねえ」 という声が。
背中毛ボーボーで興奮しているノアを連れてる私,少々肩身が狭かったです。 雛たちはそれぞれ微妙に色が違っていて、濃いグレーの雛が1羽、薄いグレーが2羽。その中間の色の雛が2羽でした。
バシバシと警戒光線を出しつつ辺りをうかがう白鳥の両親は、正直、優美というよりは怖かったです。^^;
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