MUSIC春秋
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 2011年08月22日(月)
今日と明日が出会う時





思わず息を飲んだ一枚の絵。
涼しげな青い絵が多く集められた室内で
熱を帯びたような赤と黄色の背景の洋画は
それだけで人目をひいていたが
私が気になったのは
中央に描かれた魚の剥製。
針を閉じた針千本だった。


これは先日の
あの夢に出て来た針千本なのだろうか。
その潤んだ黒い瞳をじっと見つめていると次第に
本当にそうなのかもしれないと思えてくる。
やはりあの夢は何らかの暗示だったのだろうか。

絵に吸い込まれるように
見入っていたその時、
針千本の下に描かれたシイラが
怖い顔でこっちを見ていることに気付いた。

「わかってるんだろ?そんなワケないって。」
私と目を合わせようとしない針千本とは対照的に
シイラは意味深な目で
私に話しかけているように見える。
「惑わされるなよ。」
ふん、わかってるよ。

それから私は、先日読んだ漫画本のセリフを思い出していた。
「人は、見たいものだけを見て
 信じたいものだけを信じるのよ。」

ああ、正にそれは私のこと。
心当たりを思い浮かべれば
言葉は何度も胸に突き刺さる。

だけど
決して私だけがそうなのではないということも
その言葉は教えてくれている。


で、
どうしたらいいんですか私は。

シイラはもう何も答えてはくれなかったし
針千本はといえば相変わらず
目を合わそうとも
してくれなかった。
(クロスオーバーイレブン風にリタルダンド)

引用:真昼の月/吉田秋生



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