MUSIC春秋
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 2011年06月03日(金)
40代の爆発


ここにシールを貼られると景色が見えないのです。


「シリーズ・人間の爆発」

フラカンとソカバンの対バン。
噛まずに言えない。

まずはオープニングアクト、
OHIO101というバンドを東京でやっている
鈴木純也くんのギター弾き語りからスタート。
フラカン鈴木圭介氏の弟ということで
前から聴いてみたいと思っていたので嬉しい。
自分でも言うように曲は暗い。
ギター1本と喉ひとつ、たった一人で
こんなに重い音が出せるものなんだなあ。
救われない言葉。だけど心の奥に響く。
フラカンの曲を1曲、と歌い出したのは
おかあさん という歌詞で始まる「たらちね」。
これは粋な選曲。

重苦しくなってしまった空気を打ち破るべく
兄・鈴木圭介が登場して1曲だけ共演。
ユニット名「兄弟船」、歌うのは「兄弟ブギ」。
重みの“お”の字もない。
でも得した気分。

リーダーと鈴木さんの愉快なMCを挟んで
曽我部恵一BAND登場。
サニーデイサービスも含めて
この名前はとてもよく聞くんだけど実は
曲はひとつも知らなかった。
メンバーがズラッと出てきたらむさ苦しくてびっくりー。
イメージと違った。せめて髭を剃って欲しい。
しかし曲はとてつもなく明るい。
メジャーコードしか使っていないのでは?と思うような。
メンバー全員のそれはそれは楽しそうな笑顔と
無邪気で軽い言葉、独特の明るいハーモニー。
光ってる。昇ってく。開いてる。
空に向かって開いている。
だけどどうして感じるんだろう?
その明るさの裏側には確かに隠れている。
生きていれば誰しも避けることが出来ない
悲しみや孤独や不安、胸に渦巻く葛藤。
歌詞の中にもメロディーラインにも
どこにも表れてはいないのに
あんなに笑顔で歌っているのに演奏しているのに
どうして感じてしまうのだろう。

明るい曲を聴いてこんな風に感じるなんて
歳をとったからかもしれないな。
大人になると感受性が鈍くなるのかと思えば
そうでもないことを知る。


さてフラカン。
こちらのペーソスはストレート。
演奏がとてもタイト。
小腹が減ったらガスト。(新曲「チェスト」より)
鈴木さん、くるっと回ってピタッと止まる振り付けが
気に行ってるらしくて連発してた。
かっこいいと思ってやってると思うとちょっと笑えるけど
リーダーとリレーでやると実際かっこいいかもしれん。
ラストの曲「アイムオールライト」の最後に叫ぶ所で
“ニッポン、オールライト!”と。
普段あんまりそういうこと言わない人なのでかえって響く。

一番フラカンを聴きたかった時に
ライブがなかった。
今は心穏やかで、ライブ中にも涙は出なかった。
それはそれでいいことなんじゃないの。涙なんて
出る時は嫌でも出るもんなんだから。
泣く前提でライブに行くなんて邪道。

++++++++++++++++++++++++++
フラワーカンパニーズpresents「シリーズ人間の爆発」
o.a 鈴木純也(OHIO101)
曽我部恵一BAND/フラワーカンパニーズ
in 大須 エレクトリック・レディ・ランド

++フラカンセットリスト++

恋をしましょう
ヌードコア・ロックンロール
どろぼう
ロックンロール・スターダスト
切符
寄鷺橋サンセット
虹の雨上がり
感情七号線
元少年の歌
ラララで続け
チェスト
終わらないツアー
アイム・オールライト

深夜高速
真冬の盆踊り

※「東京タワー」と「夜明け」が聴きたかったなあ。



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