更地になった社屋の近く昼休みの散歩コースだった道に何を求めるわけでもなく足が向く。見慣れた景色と光の色、空気の匂い、風の温度がまぶたのの裏に忘れていたあの頃のことを鮮明によみがえらせる。次第に人が減って行く、埃っぽい部屋。古い機器類。積み上げたテープ。窓から見た月。いいでしょう?思い出しても。覚えていても。もうどこにも無いのだから。
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