2005年、米国。 フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ出演。
LAに暮らすブリーことサブリナ(ハフマン)は、性同一性障害を持つ男性。近々性転換の手術を受けることが決まっている。 その彼女のもとへNYから電話が。トビー(ゼガーズ)という男の子が警察に保護されているが、彼はブリーの息子だと言う。 セラピストに諭され、トビーの保釈に向かうブリー。 ブリーを教会から派遣されたボランティア女性だと勘違いしたトビーを乗せ、二人の車は西へ向かって走り始める・・・・・
と、いわゆるロードムービーなわけで。 トランスジェンダーと、アメリカをトランス(横断?)するのがかけてあるわけね。 いや〜、実際アメリカ走ってみると、ほんとにロードムービーだな!!って景色や町を通るので面白いのよね。 日本で見てた時にはピンと来なかったけど、あの広さ、何も無さ、果てしなくただただ走り続けるだけ・・・・という時間の経過は、やってみると良くわかる。 気の合わない人と乗ってたらそりゃ苦痛だろうな!とか。
この映画はかなり(ロードを走ってるとこは)はしょってた感じはするが、その分テンポが良くて話が進むので面白かった。 でも、いくつかのエピソードはとても良く練られていてキャラクターが生きており、簡潔すぎる感じでは無かった。 むしろくどくどと饒舌すぎなくて良かったかな。
私としては途中でトラックに乗せてくれたインディアンの末裔(グレアム・グリーン)のおじさんとのエピソードが好き。
トビー役の男の子は「リバー・フェニックスの再来!」とか言われてるそうだけど、顔が丸っこいので「再来」ではないけどディカプリオっぽい感じ。
でも、でも、でも、なんと言ってもこの映画の白眉はフェリシティ・ハフマン!!!
女優が女装した男性を演じる、という難しい役柄なのにこんなに真に迫って上手いなんて・・・・って、これは、女性として誉めてるのか!!?? だってほんとに「男性が女装してる」ように見えたんだもん。 でもその中身は「間違った入れ物に入って生まれて来た魂」であって、「本当の正しい人生を欲して努力している魂」なのだ。 入れ物が何であれ、人間って中身だなあ、と、陳腐な感想だけどそう思わされてしまった。
ラストも希望が持てる終わり方で、でも大げさでも無くて良かった。
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