a fish called datsu -だつという名の魚-
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2009年06月02日(火) 裁判員制度で性犯罪が対象になると言うこと

 裁判員制度で性犯罪も対象になることについて、私はとても反対している。それは性犯罪の被害にあった人たちの名前や個人情報が裁判員に選ばれなかった人にも漏れて、それを公表しても何の罰則がないと言うことだ。法務省には女性の職員はいないのかと不思議に思うくらいだ(男性も性犯罪には遭うが、件数と社会的ダメージは女性の方が大きい)。
 だいたい法務省の人が思うほど、一般の人たちは口が重くない。裁判員の審査の時点で「事件の被害者の○○さんとは何の利害関係もありませんね?」と念押しするとはいえ、その時に嘘をつくことはとても簡単だ。そうして被害者に何かが起こったことをおもしろ半分に聞いてしまう。そこで口がちょっとでも軽いと、近所の人たちにペラペラ喋ったり、ブログや2ちゃんなどで犯罪被害者の状況や実名などを簡単に書き込む。なのに裁判員に選ばれていないと言うだけで何の罰則もない。
 そうされたときの性犯罪被害者の気持ちはどんな感じなのだろう。ただでさえ傷ついているのに実名を挙げられて被害の詳細を語られ、注意不足だとか、やられたかったんだとか言われてしまうのだ。この制度がなくても性犯罪被害がバレたらとても傷つくのに、被害の詳細が国の裁判制度でバレるというだけで泣き寝入りする人が激増すると思う。性犯罪者とすれば、”やり得”もいいところだろう。または性犯罪における裁判員制度の不備を国に訴えて、国が何度も敗訴する可能性もあるだろう。そうなった場合は税金から賠償金が何度も払われるのである。
 国、そして法務省はできるだけ早いうちに性犯罪を裁判員制度の対象外とすることが求められる。それと死刑が考えられる重犯罪も一般人にとっては荷が重すぎる。うっかり他の人の死刑を押す声に同調してしまったら、もうその日から被告が夢枕に立ちそうなところが怖くてたまらない。そしてその被告が実は冤罪だったとしたら…。「その人は運が悪すぎー」なんて到底思えない。我ながら立ち直れなさそうな気がする。


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