a fish called datsu -だつという名の魚-
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文庫中心に最近読んだ本の感想をどうぞ。
『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』(ジェフリー・ユージェニデス (著)、佐々田 雅子 (翻訳)/ハヤカワepi文庫) 若いうちの同じ年齢だと女の子の方が成長が早いとはよく言うが、この小説でもこの説は当てはまるように考えた。語り部の「ぼく」たちが姉妹の私物のことで盛り上がっている頃、姉妹の心身は熟れ落ちていく。そして、姉妹は親たちに抑圧されてると思った。親が姉妹にした事は、間違いだよなあ。あれじゃあ死ぬよ。あの子達が死ななかったら、どんな結末が考えられたのかが気になる。おまけに原題は映画の題『ヴァージン・スーサイズ』と同じ "The Virgin Suicides" 。直球過ぎる邦題は日本で考えられた物なのね。
『尼僧ヨアンナ』(イヴァシュキェヴィッチ (著), 関口 時正 (翻訳)/岩波文庫) これもかなり前に映画化されました。見てないけど。悪魔に憑かれた修道院の悪魔払いに訪れた神父の話だけれど、神父が修道院長ヨアンナに惚れて勘違いしてるだけの様な気がする。カソリックの話だけど、肉体的描写が多いわ。いや、カソリックの話だから、そうなのかも知れない。
『性転換―53歳で女性になった大学教授』(ディアドラ・N・マクロスキー (著), 野中 邦子(翻訳)/文春文庫) 元から女装を趣味としていた経済学者だった男ドナルドが、ディアドラという名の女になって行くほど、いきいきとしていて新しい人生を楽しんでいる感じが分かる。治療費をぼったくられたり、妹の差し金で無実なのに逮捕されたりしても、前向きなのが素晴らしい。だが、ディアドラの妻子が彼女を見捨てる気持ちもよく分かる。ドナルドは失踪したも同然だもの。奥さんにしてみれば、私がこの人と結婚してた三十年間は何だったのとしかいいようが無いと思う。
あと、文庫といえばディケンズの『オリバー・ツイスト』を探しています。かつて文庫が新潮と岩波で出ていましたが、今では絶版の様子。古本屋で探していてもないので、次はネット古本屋を当たるつもり。
私にとって宮崎駿は、ウディ・アレンと並ぶ2大見ず嫌い監督だ。前者は説教臭いし(インタビューを読むたびにうるせえよと思ってしまう)、後者は何だか嫌み(何かインテリを鼻にかけてるてゆうか)だ。私が修行していた高野山にはスタジオジブリのアンテナショップがあったが、一度も足を踏み入れたことがなかった。だが勧める人が多いので、『千と千尋の神隠し』を見に行くかどうかで迷っている。でも行かなくてもいいか。ほっといても自分以外の人たちが沢山見に行くし、来年あたり日テレでやるでしょう。
テレビ、選挙報道ばかりで面白くねえ。選挙報道やってないのはNHK教育だけだが、壇踏みがでかい顔してて、鬱(2ちゃん風)。でも、選挙中継は日テレちゃんのが一番おかしい。つっこみ入れ放題。バラエティのノリって言う奴ですか。
後日談(2001/08/08) ディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』は、ちくま文庫から上下で出ている様子。
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