おならでぃず
ライブ&映画のくり的感想。

2004年02月20日(金) 『悪い男』@新宿武蔵野館

『悪い男』2001韓国(試写会)
監督・脚本:キム・ギドク
出演:チョ・ジェヒョン/ソ・ウォン/etc.

キムギドク監督作品は2本観ていまして、お気に入りの『魚と寝る女』と、
去年の映画祭で最新作『春夏秋冬...そして春』を観てます。この監督のコト
とてもスキなのですが、気になっていた少し前の作品『悪い男』がやっと日本でも
公開されることになり一足先に試写会で観ることができました。今日は女性限定。
女性蔑視だとかフェミニストを怒らせたとか、いろいろ言われていましたが、
思った程凄い蔑視だとは思わず、逆にものすごく純愛映画だと思いました。
タイトル通り、とんでもなく悪い男だと思うし、女の子かわいそすぎるし、
でもそれでもこの男に惹かれてしまうのがなんかわかるってのが不思議。
鏡越しの愛。こちらの気持ちに気づかれたくないまま...ってのがちょっと
「トークトゥーハー」的だなと。拒絶されることを恐れるっていうきもちが
わかりすぎて痛いです。誰しもそういうトコがあると思いますが...。
後半のファンタジックな展開も、こちらの判断(解釈)の仕方に委ねられてる
という脚本の作り方がステキ。観た人がみんなそれぞれに考えることでしょう。
最初から最後まで飽きることなく、やはりギドク監督さすがと思いました。
宣伝方法として、韓国の北野武と言われていますが、魚と〜や、春夏秋冬などの
美的感覚は確かに近いトコあると思いますが、『悪い男』はむしろ、純愛路線
まっしぐらの韓国映画ブームに物申してる的な映画かと思いました。
純愛とは何か。『ラブストーリー』と対極にあるにもかかわらず、私はどちらも
とてもスキだし、どちらの純愛も「あり」だと思いました。2月末公開です。


 past  INDEX  will


くり [MAIL] [HOMEPAGE]