17番の日記...17番

 

 

外務省職員殺害事件について - 2003年12月06日(土)

先日、外務省仮庁舎に行った。奥克彦参事官、井ノ上正盛書記官の記帳をしに行くためだ。

誰の目から見ても悲しい出来事だった。殺害された現場はティクリートで、イラクの中でも反米感情が際立って高い場所である。もちろん二人はこの事を認識していたと思うが、どこかに移動する際に、ティクリートは避けて移動するべきだった。イラク全域自体、いつどこから銃弾が飛んでくるか分からないのに、一番危険視されている地域に足を踏み入れるのは自殺行為も同然である。念には念を押すべきだった。今更こんな事を言っても結果論というのは分かっているが。

小泉さんもこの事件について悲しんだに違いない。しかし依然自衛隊派遣は行う見通しである。感情論を間に挟んで政治外交は行えない。今回の自衛隊派遣について、大手新聞社(読売・朝日)の論調を参考にさせてもらうと、どちらの論調も一理あるのだ。国益重視を掲げ、派遣を押す考えを示す読売。派遣せずに、国連主導の解決策を重視すべきだと唱える朝日。もちろん、一般的に考えれば朝日の論調がごもっともと言えるが、アメリカがイラク支援に正面から取り組んでいる今、国連は機能しておらず、朝日の論調を現実視することは難しい。

湾岸戦争で資金援助などの物的支援で取り組んだ日本は、人間を派遣しないことに各国から批判を浴びた。日本が現在の世界的地位に居座れているのは日米同盟に頼る部分が大きい。よって今回の派遣は避けて通る事ができないように思う。朝日の論調や、民主党の政策で派遣反対を唱えているが、仮に日本が反対を掲げた上で、その後の日米同盟の処理についての具体策が全く記されてないのだ。一方的な感情論で政治を動かす事はできないのだ。

僕も人間だ。普通に考えて今のイラクに自衛隊を派遣する事に死人が発生する可能性がある限り、正直賛成が出来るわけが無い。しかし政治というものはそういった純粋な心で動かす事ができないのだ。悲しいが、それが現実だ。

お二方のご冥福を、心からお祈りいたします。


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