17番の日記...17番

 

 

早慶戦 - 2003年06月01日(日)

二日酔いで目が覚める。しばらく寝ていたいが、今日は楽しみにしていた六大野球早慶戦。コンビニでおにぎりを買い、いざ神宮へ。

六大野球の早慶戦は今年で100周年を迎える。
1903年(明治36年)、それは一枚の「挑戦状」から始まった。早稲田・橋戸信、押川清の二人は慶應・三田山上の万来舎を訪ね、宮原主将に試合申し込みの手紙を渡した。それから16日後の11月21日、三田網町の球場で「第一回早慶戦」がプレーボール。第二次世界大戦など、2度の中止期間を挟んだが、「伝統の一戦」は今年で節目の100周年を迎えた。

神宮球場の上空は曇り空。早稲田が連勝すれば文句なしの優勝。慶應が連勝すれば慶應の逆転優勝。慶應が2勝1敗だと早稲田、慶應、明治による優勝決定戦にもつれ込む。早稲田、慶應の両チームそれぞれに好きな選手は多いのだが今回の早慶戦に関しては慶應側の人間として観たいと思う。六大野球を盛り上げるためにも。

先発は早稲田が清水、慶應が清見。一回、早稲田は六番、好調の由田がタイムリーを放ち二点を先取。しかし、慶應も二回に追いつく。そして三回の慶應の攻撃。今日の清水はストレートが高めに浮き、危険な空気を感じていたが、三番・池辺がその高めの甘いストレートを見逃さなかった。ライトスタンドに飛び込むソロホームラン。3−2と逆転に成功した。昨年までの池辺は体勢を崩されてうち取られるケースが多かったが、今年の池辺は体勢を崩されながらも打球をヒットゾーンに持っていけるようになった。池辺の潜在能力はやはり高い。

しかしその裏、早稲田は七番・山田悠、八番・坂本のタイムリーで三点を追加。3−5。清見は三回で降板となった。やはり今の早稲田打線は誰も止められないのか。四回表、慶應は先頭の七番・安藤がヒットで出塁。八番・福田が送り、九番・杉吉がサードエラーで出塁。ランナー1、2塁。一番・松田は三振に倒れるが、続く二番・堤野。清水の外角ストレートを芯で捉え、センターオーバーの2点タイムリー。5−5の同点に追いつく。早慶戦第一戦は打撃戦となってきた。

四回裏、清見から継投した日暮が連続四球。鬼嶋監督はすばやく日暮から参鍋にスイッチ。この継投がズバリ的中する。ノーアウトランナー2,3塁。三番・鳥谷には四球を与えるが、四番・比嘉を三振、五番・武内をサードゴロ、六番・由田を三振と素晴らしいピッチングを披露。最大のピンチを切り抜けた。参鍋はサイドスローからバッターの手元で変化する球を得意とするピッチャー。早稲田打線はその変化にタイミングが合わず、参鍋の術中にハマった形となった。

五回裏、早稲田は七番・山田悠がヒットで出塁。八番・坂本が送りバント。1アウト二塁でピッチャーの清水に代わり、代打・米田。当たりは良かったがレフト正面。しかし、続く一番・田中。参鍋の低めの変化球をうまくバットに乗せ、センター前タイムリーヒット。再び逆転に成功した。

六回にも早稲田が由田のタイムリーで一点を追加。この回は早稲田のチームプレーの徹底ぶりが垣間見えた。四番・比嘉がノーアウトランナー1塁で送りバント。この日の比嘉は三回にタイムリーを打っており、今日は当たっているといえる。その比嘉に送りバントを指示するあたり、野村監督のチームプレー重視の姿勢が見えてくる。この回から登板した慶應の小林基は打たれはしたがそこそこのピッチングを披露した。僕の目には小林基はどうしても必要以上に力んでいるように見える。この力みが彼の潜在能力開花の邪魔をしているような気がする。もう少し余裕を持ち野球を楽しむつもりで投げてもらいたい。そうすれば必ず結果を残せるピッチャーになれると思う。

早稲田の二番手ピッチャー吉井はなかなかいい球を投げる。僕は吉井を見たのは今回が初めてだが、どっしりと踏み込むフォームから放たれる重い球はなかなか見応えがある。そして、コースギリギリに決まる鋭いスライダー。ストレートの球速こそ130キロ後半だが、バッターは球速以上のスピードを感じると思う。

七回表。慶應は先頭の三番・池辺が四球で出塁。不調の四番・早川が送りバント。五番・中村がうまく引っ張りレフト前ヒット。六番・結城がライトへ深々と上がる犠牲フライを放ち、一点を返す。6−7となり試合の行方はまだまだ分からない。

しかし、八回裏。粘る慶應に対し、早稲田の五番・武内がトドメを刺す一発を放つ。スリーランホームラン。試合を決定づける一発となった。九回表に慶應が一点を返すが反撃もここまで。7−10で早稲田が先勝した。

しかし、今日の慶應には勝利への執念が十分に感じられた。

早稲田は近年、奥島前総長の「スポーツ早稲田の復活」を掲げた取り組みで高校時代に実績を残したスポーツエリートをどんどんと入学させている。その結果、ラグビーは日本一、アメフトは関東制覇など、低迷していた部を復活させた。野球部も去年はリ−グ戦春秋連覇、大学選手権では準優勝と結果を残した。今年度も昨年のセンバツ優勝投手・報徳学園の大谷などの甲子園で名を上げた選手が入学してきている。

対する慶應はスポーツ推薦は行っていない。池辺や堤野は確かに甲子園で活躍したスターだが、智弁和歌山はもともと進学校。一般の推薦入試で入学してきている。現に池辺は一回目の推薦入試で不合格となっており、二度目の挑戦で合格している。あの怪物・江川卓も慶應に不合格となり、結果法政に入学したというのはあまりにも有名だ。そういった「スポーツだけ出来るのでは駄目」というプライドのもと慶應大学体育会は存在している。僕が慶應を応援するのは、こういったチーム事情であることも理由の一つだ。

明日以降、慶應が連勝することを願っている。




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