冬の思い出。 石油ストーブ
私の実家はつい3年ほど前まで衣料品店を営んでいた。 そして冬場はその店の奥、レジの前あたりに、大きな石油ストーブが置かれていた。
子供の頃、学校から帰って店のドアを開けると、いつも石油ストーブの匂いが真っ先に私を 出迎えてくれた。
ランドセルを背負ったまま、しもやけで真っ赤になった手のひらをストーブの前にかざすと 真っ赤な手が見る見る間に、もっともっともっと真っ赤っ赤になってきて、もっともっともっと かゆくなってくる (笑)
石油がきれて火がくすぶってくると必ず兄妹のどちらかが呼ばれる。 呼ばれた私は軍手をした手に、いわゆる 「 しょうゆちょろちょろ 」 なる物を持ち、台所の床下に 頭を突っ込みながら石油をストーブの石油缶に入れ替える。この作業がたまらなくいやだった。 床下を覗きこむ態勢は苦しいし、手は石油臭くなる。 石油が満タンに入った缶を店まで運ぶのも 大変だった。
けれど今ではそれも、良い思いでのひとつとなった。
ストーブの上にはいつもやかんが置かれていた。とんがった口からシューシュー!と蒸気を出して。
たまにはみかんも置いてある。おばあちゃんが焼いて食べるのだ (笑) さつま芋にとうもろこし、お餅に・・・ あとなんだっけ・・・ とにかくいろんな物がストーブの上に 転がっていた (笑)
年末にはおせちに入れる黒豆が入ったお鍋。
思い返してみると石油ストーブって偉大だったなぁ・・・
そうそう。雨で塗れた制服のスカートを乾かして臭かった (笑) やっぱり雨で塗れたお気に入りの布のかばんを、おばあちゃんがストーブで乾かしてくれていて 「 煙! 」 と叫んだ時にはもうすでに、私のお気に入りのかばんの裏地はこげ茶色にこげており・・・ えらく怒ったこともある (笑)
その石油ストーブも店とともに姿を消してしまい。今では床暖房なるものが、隠居の身となった 老夫婦の身体を温めてくれている。
1月2日は実家で過ごす。みんなで床にごろごろごろごろ。 これからは床暖房が子供達の思い出となっていくのだろう。
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