先日、旧友と久しぶりに電話で話をした。
短大時代「親友」いや「悪友」?(笑)だった彼女は、当時は仲間内で一番 遊び慣れていて。私は彼女から、お酒やディスコを教わったようなものだった。
その彼女も7年前に結婚し、今では二児の母親となったわけだが 辛いことに、その子供達が二人ともひどいアレルギー体質で。 彼女はこの愛する二人の健康を守るべく、くる日もくる日も一日24時間全てを 子供達の為だけに費やしてきた。
元旦に送られてきた彼女からのハガキに「吟味した木々で家を建てました」 とあり。それがきっかけで、久しぶりの電話となったのだが 化学物質アレルギーの子供達の為に、木造の家を建てたのだと言う。 お互い近況報告をし合っているうちに、私は彼女からとくとくと言って聞かされ てしまった。
「人間、健康が第一やで。そんなにあくせく働いたらあかん。」 「子供達のご飯も絶対に手を抜いたらあかんよ。真剣勝負やで。」 「子供の健康は将来に渡って親の責任や。それが孫の代まで影響するんやから」 「何をおいても、子供達をしっかりみてあげなあかんよ。」
後頭部を強く殴られたような気がした。 彼女は、毎日「食材を一つ間違えれば、子供の命が危機にさらされる」という 危機感と緊張感の中、家事や育児と向き合っていた。 そういった日々の繰り返しが、彼女にいろいろなことを悟らせたのだろう。 かたや、私はどうだろう。子供達は軽いアレルギーはあるものの、いたって健康 な方である。 育児でたいした苦労もせず、挫折を感じることもなく。 日々のんびりと暮らしてきた私にとって、育児が「真剣勝負」であるということ などは、頭の中から消え失せつつあった。
この7年間で彼女は人一倍苦労をし、そして人間として大きく成長を遂げていた。 そしてこの私は。この12年足らずの間、のほほんと生活し続け。 その結果、成長どころか。何が一番大切なのかすら分からなくなってしまっていた ようだ。 余りにも情けない話ではないか・・・。
私の頭をがつんとやってくれた旧友に、今ここで改めて「感謝」しよう。
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