川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
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2004年11月27日(土) |
イケニエの人 大人計画 |
富士山がくっきりと近く見える、気持ちよい晴れ! さーて今日は、ひと働きしたら、午後には大人計画だ! 昼過ぎに仕事から解放され外に出ると、風が爽やかで気持ちよい。 気持ちはよいけど、何やら沢山細々と電車を乗り継いで三軒茶屋へ。 パブリック・シアターは、小ぎれいなビルの中にあるオサレな劇場であった。 もはやプラチナすぎて、そう簡単には手に入らない大人計画のチケットを、 さっくり譲ってくださるという神様のようなお方のおかげで、 思いがけず、嬉しい観劇とあいなった。
席に着くと、舞台が近いー! セットはどこか「マシーン日記」を彷彿とさせるような、巨大歯車が見える。 この時点でイケニエ〜に関する予備知識は、ほとんどゼロ。 後に、この場所は、阿部サダヲや松尾スズキが、手を伸ばせば届きそうな近さにやってくる、 くらくらしそうな美味しい席と知り、卒倒しそうになるわけだ。
ややネタバレぎみになるかと思われるので、反転お願い。 冒頭、いきなり至近距離に現れ絶叫する阿部サダヲに、ひやー!となりつつも、 たちまち笑いの渦の中。 クドカンったら、雨利(あめり、と読む)という名の阿部サダの彼女の役で、 かわいらしく、かわいらし〜く女装して登場だ。 もうこの2人には、ノックアウトされまくりだった。 そして大人計画のフルメンバー! 私とて、そう昔から知っているわけではないけれども、 クドカンや荒川良々のことを、周りの人に説明するときには、 えーとホラ、ネイチャーメイドのさあ、などと色々苦労したものだったけど、 今はもうそんな必要は無い。 他のメンツにしたところで、町を歩いていたら会うことはないだろうと思われるような、 ファニーでデンジャラスな外見の方々ばかり。 それが今や、今をトキメク人気者がずらーりというわけで、 なんだか時ならぬゴージャスっぷりが、キラキラと眩しくて、 私は目がシバシバしちゃったざます。 その全員が踊るシーン、これがもう目映く楽しく、嬉しく切なく、 すでに鼻の奥がツーンとなる私。 いやあ、どの人もこの人もいいっす。 くっさいウオッシュチーズみたいだったり、くさやみたいだったり、 ドリアンみたいだったり、 美味しくて、 可笑しくて、 そして哀しいお話なんだよう、これが。
恒例の良々のコスプレも、キレがあり、 これまでのキワモノっぽさだけじゃない、 なにやら風格すら感じたのはオレだけだろうか? (ゲームのCMのウタダの赤いワンピースなぞ、可愛らしくて涙が出る) 良々を二度ほど歌舞伎座で見かけたことがあったので、 今回彼が見得をきる場面では、よかったねえ〜あんた好きなんだろ?と、 喜んでしまったことだよ。
猫背椿の演ずる小春の壊れ方が、鳥肌だったし、 そして肌色全身タイツの入浴及び混浴シーンは、のけぞったし。
実は相当色っぽい人だと密かに感じている松尾スズキの声が、 頭上から降ってきたひにゃあ、あなたもう、 鼻血ものだった。
阿部サダとくんくは、 どろんどろんのべったべたのダークな、でもキュートなカップルであったので、 れろれろんとチューをしても、きゃーとは思わず、 この2人のラストシーンで、きゅ〜ん!と哀しくやられてしまったのであった。
笑って笑って、哀しかった。
今までの大人計画の舞台の中で、私は一番好きかも。 清濁ごちゃまぜ、狂気と歓喜と喚起、臭くて美味しくて、 突き抜けたところが、 あー生きてる!というような。 なんとなく、松尾さん、ちょっと年とったのかも?と思う脚本だった。 その哀愁がまた、いいんだよう。
などと、勝手にひっそり熱く盛り上がりつつ、劇場を出る。
(これじゃ、なんだか、どんな舞台だったか、わからないっすね。 けども、私には書ききれないっす。) 来たときに、どこからともなく好ましい香りがしていたので、 きっとこの近くにLUSHがあるに違いない!と思ったら、 やっぱり。 このところすっかり気に入って愛用している洗顔石けんを買い足す。 スキッとさっぱり洗いあがるのに、つるつるすべすべになってつっぱらない。 しかもこの香りが大好きで、 帰宅後にこれで洗顔すると、疲れまで洗い流されるような気分。 これが楽しみで楽しみで。 そんなこんなで、幸せ〜な一日。
ラストシーンで小道具として、はらりはらりと降ってくるチラシを、 実は一枚もらってきてしまった。
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