川底を流れる小石のように。 〜番外編〜 海老蔵への道!
もくじを見てみる|ひとつ前|現在に近づいて|プチ画像日記
2004年09月21日(火) |
御園座 吉例顔見世 夜の部 |
昼の部の終演が2:45くらいか。 夜の部開始まで、一時間以上ある。 ぶらぶらと御園座の裏手のヒルトンホテルへ。 一階のラウンジでお茶することに。 3時からのご予約ですか?と聞かれて、へ?とびっくり。 予約ではないと告げると、別の列に並ばされた。 ここ、ホテルの一階にありがちなラウンジに見えたが、 間もなく外人男女二人組のデュオの生演奏などはじまって、ほ〜だった。 昼の部の余韻をかみしめつつ、ひと休み。
コンビニでおにぎりやお茶を調達して、再度御園座へ。 昼の部の時、地下の食堂から帰ってきたと思われる隣のご夫婦が、 なんだか凄く油臭くなっており、萎えてしまったので、 夜の部は手羽先とおにぎりと、御園座名物アイス最中に決めたのだ。
「熊谷陣屋」
こんながんじろはん初めて観た。 團パパの代わりに初役なんだそうだ。 それに、こないだ稚魚の会で観たのと違う。 型が違うんだそうだ。 稚魚の会で観たときに思ったのだけど、 三階さん達の時は、役者さんそれぞれが登場したときの役柄の格というのが、 どうも現れていなかった。 普段見慣れた大歌舞伎だと、そのあたり意識したことがあまりなかったが、 当然のごとく自然ににじみ出ているものなのだなと実感したのだった。 その点、今月は、すっと重みや格が感じられて、心地よい。
けれど、今朝の四時半起きがたたって、あちこち記憶がない。 とほほ。
この幕間で、御園座名物最中アイスを初体験! さすがに名物と言うだけのことはある!うまーーい! 最中が香ばしくて、サクサクッとしていて、 小倉にしてみたのだけど、程良い甘さとミルク加減で、とても幸せ〜な気持ちに。 ロビーでは、こんなお土産もあるくらい人気らしい。 これで、私の御園座イメージがぐぐんとアップ。 他に印象深かったのは、パビリオンの制服?みたいな、お帽子にワンピース姿の、 色々ご案内してくれるおねえさん達。 そして、連休のせいもあってか、この日の御園座は大賑わい。 一階の通路という通路は補助席で埋まっており、狭いし歩きにくいし、 幕間に出ようと思っても、はけないはけない。 おまけに座席での飲食禁止完全禁止とのことで、 短い幕間に、補助椅子をかき分け、ロビーのソファを確保して、お弁当を食べるのは、 歌舞伎座に慣れた身には、ちょっと面倒だった。
「口上」 海老蔵、ちょっと見ない間に、またひとまわり大人っぽくなってた。 五月の明るい華やかな顔、パパが倒れてからの切実に引き締まった顔、 大阪での目一杯ぎりぎりなのかも?な顔、思い出す。 それがまあ、短い間にこんなに立派になっちゃって・・・。
ジャッキー今月も頑張ってくれてる。 パパの分も含めて、親戚として、こうして毎月口上を仕切ってくれて、 暑い日も多かったし体調の悪い日も多かろうに、ありがたい。 今月、海老蔵のお隣は田之助さん。 五月、田之助さんは上手に座っていて、口上を聞いてしみじみじんわりしたのだが、 その直後、順番が下手に移っていくと忽ちコックリ居眠りされていて、 たのやーん!それはどうよ?と思ったのだったが・・・。 今月は中央。海老蔵の隣。 ドキドキしつつ見守っていると、やっぱりたのや〜ん!であった! 昼の部は大活躍、夜の部だって助六の母・満江で大活躍だからお疲れなのかもしれないけど、 たのや〜ん!
亀治郎さん、男女蔵さんは初めて列座。 2人の、まさかり髷姿が新鮮に見えた。
菊ちゃん、今月はちょっと違う! 何しろ昼・夜とも、美女役三昧。 そのせいかどうなのか、立役姿の口上ではあっても、 オメメぱっちりうるうるで、ほっぺツヤツヤで、あふれ出る美女ぶり。 なんか菊ちゃん、すごいい!かわいい! 美女フェロモンたっぷりだよー。
海老蔵のにらみも、落ち着いて迫力が増していて、 私の席のまわりの、初海老蔵体験と思われる若い女性達は、 大満足・大感動の様子の人が多かった。
まわりの席といえば、この日近くにお着物のオバサマ方が多くて、 常に扇子を使っていて、 香水の臭いがきつくてきつくて、かなりのダメージを受けた。 なにしろ食いしんぼう万々歳の私が、食欲を無くし、夜を食べられない程。 その後、長い助六の間に頭痛までしてきて、 二時間、頭痛薬がどれほど欲しかったか。
「助六」
いやあ、どんなに待ちこがれて楽しみにしていたか。 菊ちゃんの揚巻姿の花道の出、うわーーー!キレイ! あのうるうるの目が、ほろ酔い揚巻の色っぽさをたっぷり現し、 充分な揚巻ぶりだった。 せりふの言い回しは、玉三郎さんそっくり。 六月ひたすら見続けて、勉強したのだろうなーと思うといじらしい。 けど、まだ「なぞっている」とい感じから抜け出せず、 本舞台にあがってからは、やや説得力や大きさに欠ける気がした。 魅力であると思う声も、力んでキンキンして聞こえたし、 これから京都南座顔見世での二度目の揚巻に向けて、どうかわってゆくのか。 あの花道での煌めきを、本舞台や台詞でも、魅せて欲しい。
菊ちゃんの揚巻の衣装については、ここを読んで、ほほーと思っていたのだが、 背中の海老が、玉さんのよりも随分ちっちゃくて、菊ちゃん・・・!と微笑ましかった。
助六の出端。 花道も近い席で、劇場も小さいせいか、助六が大きく見えた。 美しい型の極まりの時々に、はっ!と海老蔵の息つかいが聞こえて、ドキドキ。 歌舞伎座6月の時には、なかなかこんな席はとれなかったので、 無理して遠征して、よかったなと思う。
もう助六そのもの。 流す汗から、動作の一つ一つが、どこまでも助六で、 もうすぐ半年なろうかという襲名の道のりが、確実に血となり肉となってる実感。
白玉の亀治郎さん、きっちり。 富十郎さんのくわんぺら、好きだ! トミーの年齢を忘れさせてくれる若々しさ、かっこいいー。 海老助六と並ぶと、こんなに背が違うのに、張りや何かで大きく見える。 松禄さんの白酒売り、思ったよりもずっと良かった。 おっとりの長男と、はしっこくて要領がいい、憎めない次男みたいな構図。 くずさずにきちんとやっていて、でも愛嬌や品がちゃんと感じられた。
何度観ても、助六はいいなあ。
満足な一日だったが、夜が最中アイスだけだったので、ふらふらに疲れた。 御園座は、外に出てから地下鉄への途中に楽屋口があるので、 そこは大混雑。 新幹線の時間に余裕があったので、遠巻きに待ってみた。 実は七月の松竹座で、自分の誕生日に初めてサインをもらったので、 今月は遠慮して出を見送るだけにした。 松也君は、今月も早めに出てきて、にこにこと対応。 地元の人かな?と思われる女性達は、松也君があの並び傾城と知らず、 人に言われて、あわてて写真をとりに行ってたり。 ひたすら海老蔵を待つ人がとても大勢で、凄い熱気だ。 ようやく出てきた海老蔵は藍色の作務衣に黒縁めがね。 眉毛がないのが、役者さんっぽい。 額にはぶたえの後がまだうっすら残り、助六の余韻なのか顔を落としたせいか、 目がうるんでる。 黙々とサインの嵐に対応する海老蔵に、 遠くから「おつかれさん。あと6日!」と勝手にエールを送り、 一足先に帰路につく。
外に出ると、香水頭痛もおさまり、ちょっと元気が出た。 帰りの新幹線は、のぞみなので速い速い! 興奮したまま、昼の部の日記を書いて寝た。 今日は、どっときて随分眠った。 次は千秋楽だ。待ってろ名古屋!
画像も、ちょっとアップ。 ポーチに入れて持ち歩くミラーが欲しかったので、 気に入ったのが買えてほくほく。
|