なべて世はこともなし 日記アーカイブ(インデックス)へ|前日の日記はこちら|翌日の日記はこちら |アイルランド真実紀行へ
バレンタインデーが終わりました。なんだかんだ言ってもこっちにもバレンタインデーは確実に存在するようで、街中で花束を抱えた人を見かけたりとかしました。ま、それでも日本のチョコレートを配って回るようなものとはあからさまに一線を画してましたが。 廃車になったボロバスの在りし日の姿。どう見てもダブリンバスにしか見えないけど、実はシャトルバス。 この二階建てバスを筆頭にしてここのバスのボロさは筋金入り。この会社のバスの多くは、こともあろうにダブリンバスのお下がり。つまり、ダブリンバスのひどいメンテナンスが祟って使い物にならなくなったオンボロをいくらで買ったか知らないが無理やり使っているわけ。 資料画像。おととい撮ったばかりのダブリンバス故障の図。市中心部のCollege Greenで一車線をふさいで故障中。日本の路上でバスが故障しているのを何度見たことがあるだろうかと考えると、このダブリンバスの路上での故障の多さは異常。それにしても、後ろの広告の、故障したバスにGet there go anywhereというのが皮肉です。 で、シャトルバスの会社、どうも当局に目をつけられているらしい。数日前になんと一斉摘発を受けた。その一斉摘発の方法がまたすごい。運行中のバスを捕まえて、路上に停止を命じる。で、乗客が乗っている、バスに当局の人間が乗り込んできて検査開始。そして、3台のバスが「乗客を乗せての運行には不適格」とされて、その場で運行禁止命令が下されたそうな。…ってこのルート、ピーク時でも4台のバスで運行しているから4台中の3台が運行禁止になったって計算になるな。もっと言えば、あのデタラメなダブリンバスのメンテナンスが問題にならないこの国で、運行禁止になるこのシャトルバスのメンテナンスって一体…。 かわいそうなのが乗客。バスは運行禁止処分になり、その場に放り出されたらしい。かくして、うちの会社では遅刻者が続出。総務部長がかなり本気でキレていた。 そんなことがあったせいで、その日の午後はこのシャトルバスがお詫びの意味をこめて「無料運行」されることに。ちょうどいいや、町に買い物に行こうと思っていたから今日は車を置いてこのシャトルバスで行こう…と思った私がアホタレだった。 まず、退社後、町に行くのに、会社の前から出るシャトルバスが来ない。定刻から遅れること15分後、ようやくやってきたバスは、見たことのない観光バス。あ、そっか。今朝、いつものダブリンバスのお下がりのミニバスは運行禁止になったんだ。どっかから、このバスを借りてきたに違いない。ま、それ自体は「よくやった」と褒めていいかも。 しかし、詰めの甘さはさすが。バスの運転手は、たぶんこんな異常事態になったからであろう、バス停で待機していたシャトルバスの会社の社員とすでに15分遅れていたにも拘らず話し始める。 運転手:「オレ、どこにいけばいいの?」 社員:「XXXを通って町に行けばいい」 運転手:「YYYのとこを通ればいいんだよね」 社員:「いや、違う。ZZZを左折して、それから…」 …てか、道を知らない運転手ってありえるのか(この日記の古い読者さんなら「あり得る」と即答されると思うけど)。運行前のブリーフィングとか…してないだろうなあ。 で、このバスは道を知らないながらも無事に町に着いた。バスを降りて数分後に折り返しでビジネスパークに向かう同じバスを目撃。…なぜか空。どうやら、町でお客を拾うということがうまく伝わっていなかったらしく、寒空の下、町で待っていたかわいそうな人たちは無視されたらしい。 町からの帰りは帰りでバスは待てど暮らせどやってこない。他のキレた乗客がバス会社に電話し続けるが、すべて留守番電話に接続され無視される。ようやく来たバスの運転手、本日は無料のはずなのに、知らん顔して運賃を取り始める。私は… 私:「今日はタダでしょ?」 運転手:「なんだよそれ?知らねえよ。ちゃんと2ユーロ払えよ」 …やはりな。どうせ内部での連絡なんてうまくいってないと思ったよ。 こいつらのアホタレぶりを熟知している私、こんなこともあろうかと、ウェブサイトに載っていた「お詫び」文書のスクリーンショットをコピーして持参。運転手に見せる。運転手は、ほかの乗客に向かって 運転手:「悪い。あした、運賃、タダにするから」 …いや、そうじゃなくて、取った運賃を返せよ。それが筋だろ? いやはや、一事が万事というか、いい加減で呆れかえるばかりです。何よりも、こんなことがあろうかとウェブサイトのコピーを用意している自分の人間不信ぶりにもちょっと悲しくなったりして。 このバス会社の話を始めたら、たぶんしばらくは日記のネタに困らない自信あり。ご感想はこちらへ(掲示板へのリンクです)。
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