なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2006年10月08日(日) |
Leonard CohenのTribuneを見に行く。落ち着きのないSnigelが発見したこと。 |
この日記に何度か書いているとおり、誰がなんと言おうと私はLeonard Cohenのファンです。かくして、彼のTribuneバンドがThe Point Theatreであると知った瞬間にチケットを買ってしまった。
一枚75ユーロ(1万円超!)。
本人が来るわけじゃあないTribuneバンドでこの値段は法外じゃあないだろうか…とも思わなくもなかったが、それでも行ってきました。The Point Theatreへ。
The Point Theatre。ここ、ダブリン港の一角にあるとんでもなく交通不便なコンサート会場。何せ街からは徒歩以外の交通手段がない(ほとんど本数のない53番のバスは無視)。かくして、Liffey川沿いをてくてく歩いて会場へ。
この25分ほどの距離を歩いて改めて感じたが、いやー、このあたり変わったわ。その昔は「アンダルシアに憧れて」の世界の怪しい倉庫街で日が暮れてから歩くことは憚られるようなところだったのに、今じゃホテルが建ち、その先にあった小汚い倉庫たちはすべて壊され遊歩道になり、挙句の果てには誰が買うんだかわからない高そうなキッチンのショールームや高そうな中古車のディーラーまである。対岸には未だにクレーンでマンションだかオフィスだか知らんがばんばんと建てられている。
そして、初めて入ったThe Point Theatre。さあ、4-5000人くらいは入るんじゃないだろうか。ただ、椅子がすぐに取り外しをするためか、プラスチック製で日本の地方の球場のように安っぽい。そういう目で見ると、会場全体も安っぽい。ちなみに、音響もあまりよくなかった気がした。
8時をちょっと過ぎたころに公演開始。…なのに、客はまだ席に着かずに行ったりきたりしている。どうにも落ち着かない。実はこの状況はコンサート終了までずっと続いた。なんだか知らんが、落ち着かない人たちなのだ。小学校の通知表6年間18回にわたり担任に「落ち着きがない」と書かれ続けた私が言うんだから間違いない。こいつら、落ち着きがないよ。
狭い席なので、誰かが立とうとするとその列全員の人が立ち上がって通路を空けなければならない。どうもこれ、酒(ビール)を売っているからじゃあないかと思うのだ。ビールを飲む→トイレに行きたくなる。という単純図式。やっぱり、パブで音楽を聴きながらという延長にコンサートもあるんだろうなあ。
それにしても選曲がすごかった。Suzanne、So Long Marriene、Everybody knowsなどよく知られている曲はまあ定番商品として、私の好きなWho by Fire 、Sisters of Mersy、The Guestsなどが出てきたのは素朴にうれしかった。
さらに、アルバム未収録のJoan of Arcを持ってこられて私は素朴に驚いたが、なんとトリの曲にはLeonard Cohenのアルバムの中でもほとんどノーマークだったDeath of Ladies' ManのMemoriesを持ってこられたのにはひとりで驚愕してた。あまり印象に残ってないアルバムのあまり印象に残っていない曲をコンサートの最後に持ってこられたら驚くでしょ?(はいはいはい。どーせほとんどの人は読み流してますよね)。
で、曲は、当たり前の話、Leonard Cohen本人には誰もかなわない。中には、hallelujahのように元曲のイメージを壊して腹の立ったのもあったが、The Guestをしっとりと歌われたのにはそれはそれで感動したし、全体としてはよかったと思う。
ちなみに、選曲になくてがっかりしたものとしては、Take This WaltzとかFirst We Take Manhattanとかかな。
…と、Leonard Cohenのファンじゃないとまったくわからない話を延々続けてしまいましたが、このコンサートの一番すごかった点は、その時間。途中30分ほどの休憩を挟みながら、午後8時に始まったコンサートが終わったのはなんと日付が変わった後!4時間以上の長いコンサートでした。まあ、80ユーロも払って1時間で終わった日にゃ暴れだしかねなかったけど。
長いコンサートが終わり、人波とともに街へ。そこからNitelink(深夜バス)で自宅に帰ろうと思ったのだが、なんと、木曜日ってNitelinkって12時半と2時にしかないんですね。バス停に12時45分に着いた私は泣く泣くタクシーで帰りましたとさ。知ってたら、Eastwall RoadからFairview方向に歩いて帰ったのに。ぶつぶつ。
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