なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2006年06月16日(金) Raffle Ticketsを売りさばく

昨日の日記で書いた通り、Raffle Tickets(慈善くじ)を24枚売ることになった私。24枚くらい楽勝だと思っていましたが…案の定楽勝でした。会社でちょっと売りさばいただけでほぼ完売。残った数枚は明日友人らと会うのでそこで売ってしまえば完売。


これ、いい経験になりました。


Raffle Ticketsを通じて相手の人間性が垣間見えました。


まず、特筆すべきは断る人がほとんどいなかったということ。ほとんどの人は二つ返事で快諾してくれました。部内で長くだらだらいるだけの私はほとんど生き字引になってまして、同僚がしょっちゅう私のところに質問に来ます。


同僚:「ねえねえ、Snigel、OOがXXの件なんだけど…」
私:「ああ、あの件はXXになったよ。あ、そうそう、もし良かったら、調べるからその間にRaffle Tickets一枚買わない?Beaumont Hospitalのやつなんだけ…」
同僚:「いいよいいよ。名前ここに書くのね。はい2ユーロ」



…こんな軽い感じです。人によっては、別の同僚にも買うように言ってくれりとか。


私が勤める某外資系の会社、こと私の働く部はアイルランド人の比率が半分以下です。ガイジンが非常に多い部署。で、Raffle Ticketsの購入を頼んだアイルランド人はひとりを除いて全員快諾。


そもそもが自分たちが住んでいて、そしてこれからも住んでゆく社会なのですから少しは貢献しようという思いがあるのかなと思うと同時に、やはり、失われつつあるとはいえ、アイルランド人のおおもとには助け合いの精神があるのかもしれませんが。


…と話をしたら、私の友人(日本人)に、


「じゃあなんでアイルランド人は目の不自由な人が道を横断するときに助けないんだ」


と噛み付かれました。知らんがな。(´・ω・`)


アイルランド人連中にはガイジンである私がこのRaffle Ticketsを売っているという事実が面白く映ったようです。ごもっとも。こういうのを売っているのはアイルランド人の世話好きのおばちゃんと相場が決まってます。


ともあれ、反面、(アイルランド人以外の)ガイジンには断られるケースがままありました。最近入ってきた中国人、ナイジェリア人は快諾。反面、東欧の某国からこれまた最近入ってきたけっこうかわいい女の子は拒否。ただ、理由が、


「私、ギャンブルに興味ないから」


という、わけのわからんものでした。「いや、これはギャンブルというよりはただの寄付なんだけど…」とよほど反論しようかとも思いましたが、あまりしつこいのも悪いし、こういうことは本人の意志を尊重すべきだと思い敢えてツッコミませんでしたが。


で、唯一、断ったアイルランド人の言い草。


「私、南側に住んでいて、(Beaumont Hospitalのある)北側とは関係ないから」


にはちょっとかちんと来ました。そりゃ買う買わないは自由意志で、断るのも自由です。だけどさ、たかが2ユーロ程度の寄付を渋るというのはどうよ。そりゃあんた、最近結婚したばかりでものいりとかいうのもわかるけど、ちょっと彼女の人間性を見た気がしてがっかりしました。


これを逆に言えば、もし2ユーロ程度の寄付を同僚や友人から求められたら快諾しておいた方がいい…ということになりますな。平たく言えば「角が立つ」というやつ。まあ、そういう「断りにくい」という事実を利用して、こういう方法でRaffle Ticketsを売っているとすれば、それはそれで嫌なものですが。


ところで、昨日の日記にも書いた通り、ホントにこの収益金は正しく使われるんですかね。今回のRaffle Tickets、収益金はBeaumont Hospitalに私が直接送ります(というか家のすぐ近所だから歩いて持参するかも)。で、そこでお金が使われるのだから、まあ、不正やズルも少ない気がします。


反面、よく街中でやっている募金。アジアやアフリカの発展途上国にワクチンを送るとか何とか言ってますけど、あれ、収益金、ちゃんと使われてるんですかね。募金箱から1ユーロコインを取り出して、のどが渇いたからとコーラを買うくらいはかわいいもんだとしても、いくら集まったかなんて誰にもわからないんだからいくらでもずるができそうな気がする。


ここまで書いてふと気がついたけど、アイルランドでは日本式の「いくらでもいいから寄付して」というのは、商店のレジ横でお釣を集めようとしている箱以外見た記憶がない。


街頭でやってる募金も、「この花の形したバッチ、ひとつ2ユーロだから買って」という感じのが多い気がする。わざわざ花の形のバッチを作るコストがもったいないと思っていたけど、これってもしかして不正防止の目的、つまり、売れたバッチと売上が合うようにという狙いがあるのかなあとも思う。考えすぎかな。


だいたい、街中でやってるあのやたらと親しげに話しかけてくる連中、イラつきませんか。


「なんでオレには話しかけないで、ほかの奴ばかりに話しかけるんだ!」


…あれ、イラつく方向を間違ってますかね。私。でも、あいつら、確かに私はうまく避けて歩いてはいるんだけど、絶対に話しかけてこないんですよね。話しかけてきたと思ったら、私の真後ろを歩いていた人にだった…ということも数知れず。


ともあれ、協力してくれた皆様、ありがとうございました(ってこんなページ見てねえよ)。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ