なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2005年01月06日(木) |
人類みな兄弟。神父さんも? |
本日は、「コールセンターのバックアップ」に駆り出されておりました。コールセンター、日本的にいえばサポセン…ありていに言ってお客さんからの電話番です。ただあくまでバックアップなので、もし、コールセンターの担当が全員電話に出ていて誰も電話が取れない…という時に、私のところに電話が回ってくるようになっているわけ。
で、ちょっとした数の電話を取ったのですが、ちょっと赤っ恥体験をしました。
私:「XX社です。ご要件は何でしょう」
電話の向こうはのんびりした感じの中年男性。
相手:「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど…」 私:「それではお客様番号を頂いてよろしいですか」 相手:「12345です」
私はコンピュータに出てきた相手の個人情報を見て、固まってしまった。ふだんなら…
私:「お名前を頂いてよろしいですか?」(本人確認のため) 相手:「Smithです」 私:「Smithさんですね…」
となるわけ。要は、私、少なくとも最初くらいはお客さんの名前をちゃんと呼びたいと思ってます。具体的にはMr Smithとかなんとか。
これが意外と思われた方は、多分アイルランドに住んだことのない方。肩の力の抜けたアイルランド、Mrなどのていねいな形で呼ぶことは少なく、いつもJohnだのJamesだの下の名前で呼ぶ。これって、かなり便利な文化で、相手を何と呼ぶか悩む必要がないわけ。しかも英語には、誰にでも使えるyouという便利な言葉もあります。
その対極にあるのが聞いたところではオーストリア(オーストリアの読者のKさん、ご無沙汰してますがお元気ですか?)。ここ、Dr SmithさんをMr Smithさんなどと呼ぼうものなら無視するような文化らしい(インケンだー)。ドイツ語圏はこと、肩書きにうるさいらしい。
で、うちの会社にかけてくるお客さん、アイルランド人以外のほうが多いので、アイルランドの下の名前で呼ぶ慣習は通用しない。かくして、いつもつとめてMr Smithさんと、苗字で呼ぼうとしているわけ。
で、話はさっきの個人情報を見て固まったとこに戻ります。このおじさんの職業を見て私は凍ってしまったのです。
職業:「神父」
神父さんですか。…それはいいですが、神父さんっていったい何と呼べばいいの?コンマ数行考えて私の口から出てきた言葉。
私:「Brother Smith. What can I do for you?」
言った瞬間に、ものすごい違和感と同時に、某黒人バンドのくだらないラップ音楽が頭の中によぎった。Hey Brotherって。
違う。何かが違う。神父さんはBrotherとかいう称号ではない。
どうしても思い出せない、つまりウナギの小骨がのどに刺さったような違和感を覚えつつ、数秒思い出そうとするが思い出せない。
私:「ええーと、あのー、そのー、神父さんってなんておよびすればいいんでした、あれ、ええと、そのですね、ご要件は何でしょう?」
電話を切ると横でアイルランド人が笑ってました。
同僚:「それを言うならFatherでしょうが!」
…そうでした。Father Tedというのがあったじゃないですか。
その同僚いわく、別にFather Smithなんて呼ばなくていいとのこと。特にキリスト教徒ではない私は。今日もまた少し賢くなりました(ホントかよ)。
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