なべて世はこともなし
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2004年11月27日(土) 無謀?トレンド?ブリュッセルズ日帰りクリスマスショッピング

カタカナばかりの題名で恐縮です。日ごろはなるべくカタカナ英語は使わないようにしているのですが...。


今日は、「日帰りブリュッセルズクリスマスショッピング」に行ってまいりました。


フツー、買い物するために日帰りでブリュッセルズまで行くか?


というツッコミが去年に続いて聞こえてきそうですが、このツッコミに対する反論は後ほど。


去年日帰りアントワープクリスマスショッピングをしたところ、アントワープでは目新しさも手伝って、買い物がはかどりまして、大嫌いなクリスマスショッピングを一気に片づけることができる…という見事な離れ業をやってのけました。


ダブリンでのクリスマスショッピング、大嫌いなんですよ。12月の町中は平日でも上野のアメ横なみに(休日レベル…さすがに年末年始レベルまでは行かない気がする)混んでるし、人々が殺気立っている気もするし、とにもかくにも、ここ数年で人ごみというものが大嫌いになったというのが最大の理由です。


人ごみって、ストレスになる以外にいいことが見つからない。というわけで、ここに宣言しますが、私は今年はダブリンのシティセンターには一度しか近寄りません。その一度は、髪を切りに行く為だけです。はい。


ともあれ、例によって早めに予約すれば安いRyanairの朝の始発便に乗るために起きたのは朝の4時。ちなみに、前日はディナーに招待されてて、うちに帰ってきたのは午前1時。2時間ちょっとの睡眠時間はちょっと辛い。


空港の搭乗口に行ってみると、なんだかえらいたくさんの人が待っている。…この数はヒコーキには乗れないんじゃないか。まさかまたトイレに押し込められるのか…などと思っているとまた例によってボーディングブリッジを使わず建物の外をてくてく歩いて搭乗。そこにあったのは最新鋭のB737-800


解説。Ryanairはダブリン発祥の航空会社で(正確に言うと違うけどそこまでは突っ込まない)現在ヨーロッパ内に路線をタコの足の如く広げまくってます。で、自称、「最新鋭のヒコーキを使ってます!」と宣伝してますが、実際はダブリン発のヒコーキは各大手航空会社が古くなって売り飛ばしたB737-200というヒコーキを飛ばしているのです。この25年とか30年とか(正確には知りません)とか経っているおんぼろのヒコーキに乗るたびに、本当に無事に着くんだろうかという不安に襲われるわけです。


で、数週間前のニュースではついに、このおんぼろ737-200も退役が決まったらしく、今後は「パーツを利用する」とのこと。ありていに言えば「スクラップになる」ということですな。


で、今日もまた、その棺桶に片足を突っ込んだオンボロ機で不安を感じながら飛ぶ羽目になるのかと思いきや、目の前にででーんと現われたのがB737-800。これには正直驚いた。


お尻をこちらに向け作業に没頭しているスッチーさんの横をすり抜け中に入ってみると、…まあ、なんといいますか、Ryanairが自分の期待通りにボーイング社に作らせた機体、一言で言って、すごいです。まず、そのステキなステキな色使い。


座席はRyanairの基本色ともいえる濃紺。で、前の人の頭の部分は実に明るい黄色(これもまたRyanairの基本色ですな)。で、前方や後方の一部の壁も黄色。座席の上の物入れの扉も黄色。よく言えば「明るい印象を受けます」が、悪く言えば、「えらく安っぽい印象を受けます」


さらに良く見ると、座席のリクライニングはなし。そりゃそうだ。前との座席との間、アイルランド人の5人にひとりは肥満という事実を故意にか偶然にか無視して徹底的にその間を切りつめ座席数を増やそうとしているのに、そこに前の人の座席を倒された日には、自分のいるスペースがなくなるぞ。


さらにさらに、座席のテーブルの下にある機内誌なんかが入っているポケットも撤去。当然、シックバック(別名ゲロ袋)もない。ということは、必ず入っていなければいけない非常の際の案内を書いた「安全のしおり」もない。どうしたかといえば、この安全のしおりを、前の座席の背面にシールでぺたっと張るというなかなか香ばしいことをしてくれてます。このコストカットへの飽くなき執念は驚くばかりです。


で、どうも737-200に比べて737-800は圧倒的に大きいらしく、搭乗口にいた乗客は全員トイレに押し込まれることなく離陸。さすが片道1ユーロとかで客を集めているだけあって客席はほぼ満席。


まあ、それからがうるさいのなんの。どう見てもアイルランド人には見えないスッチーさんが数人(法に触れない程度の最低賃金で某国から大量採用されているという噂…あくまで噂)が数分おきに、ドリンク・軽食販売、機内誌の貸与、お土産販売、チャリティスクラッチカード販売(売上の一部はチャリティーに行くらしい)、ゴミの回収、ふたたびドリンクの販売、と歩き回る。小銭を稼ぐための涙ぐましい努力のおかげで、眠いのに眠れやしない。


で、今度は地上に着くと、バスにてブリュッセル市内に移動。このバスが、ヒコーキが満席だったこともあってか完全に満席。さらに10人ほどの立ち客まで出る始末。ベルギーの法律は良くは知らないけど高速道路で立ち客を乗せて運行するのは違法ではないのか?自分はしっかり座ってたからいいけど。


で、高速を走ることおおよそ45分。バスは駅に到着。そこから地下鉄で市内へ。朝の11時から夕方の4時30分まで一度朝食を食べただけで足を棒にして買い物をしました。


やっぱりアイルランドにない店は目新しくて、いい。服飾関係だけでもH&MにC&A、ちょっと(私にとっては)高いところではEsprits、その他、CDを買うならMedia Marketなどなど。次から次へとアイディアが浮かんでいろいろ買う。ダブリンよりも値段がかなり安い印象なので、一足早くバーゲンが来たような気分にもなる。


そして仕上げにスーパーへ行って、アイルランドでは1本3ユーロもするベルギービールChimayを買い、ぎりぎりの時間に空港行きのバスに飛び乗る。ちなみに、このビール、ご当地では1/3の値段で買えたりします。そうそう、ついでに、Advent Calendarも買いました。






Advent Calendar。まだアイルランドではあまり一般化していないアイディア。こんな感じのチョコレートの箱で、12月1日から毎日一つづつ小窓を開けてその中にある小さなチョコレートを食べます。で、全部の小窓が開くとクリスマスがやってくるというもの。去年、ダブリン中を探して見つからなかった(売っていたらしいがすでに売り切れていただかなんだかだった)ものの、今年は一部のスーパーで見かけました。子供っぽいけど面白いのでこちらにご在住の方はぜひお試しを。言わずもがな、これまたダブリンの市価の2/3。


で、帰りのダブリン行きのヒコーキは、行きとは違いボロボロのB737-200でして。これまたほぼ満席なのは仕方ないにせよ、このヒコーキ、新しいものに比べて、荷物入れの容量が致命的に少ないという事実に気がつきました。


どうやら、ベルギーにクリスマスショッピングに行くという発想は私だけのものではないらしく、機内はアイルランドと違いベルギーでは未だに無料でもらえるビニール袋を持った人であふれています。で、このビニール袋は荷物入れに収まりきらず、座席の下にもあふれ、なんだかすごい状態になってました。そう、今日の日記の最初の疑問、フツー、買い物するために日帰りでブリュッセルズまで行くか?の答えは、「あんがいいるよ」ということになります。確かに往復5000円程度でちょっと変わったことができるなら、十分考慮の余地はあるような気がします。もし、新しいヒコーキで運行されてるなら、また来年も行こうと思います。

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