なべて世はこともなし 日記アーカイブ(インデックス)へ|前日の日記はこちら|翌日の日記はこちら |アイルランド真実紀行へ
ここ数日のアイルランドのニュース。総合病院のベッドが不足しており、緊急入院した人が廊下で担架に載せられて夜を過ごしたなどというお話。ただこれ、まさに「十年一日」と言った感じの問題でして、昨日今日始まった問題ではないのですが。ちなみに私も去年「お笑い緊急入院」しているのでこの状況はよく知っているつもりですが(この辺りの事情は、去年の6月日記に詳述してますのでよろしければどうぞ)。 某アイルランド西部の病院で急患に配られる紙。 もし、あなたが急にお腹が痛くなった、頭を縫うような怪我をした…そんな時には総合病院の救急病棟に駆け込むことができます。そこで、受付を済ませると、ほどなく看護婦さんに呼ばれて、その緊急性を調べられて、5段階評価されるわけです。私の時はこういう紙をもらいませんでしたが、同じことをされました。では、その5段階をいつもながらテキトーに訳してみましょう。 中西部地方病院救急病棟へようこそ あなたは我々の経験豊かな看護婦によって評価され、現在医師による受診を待っています。 患者さんは緊急性の順番で受診されており、到着順ではありません。患者さんは以下のように優先順位がつけられます。 あなたは優先順位(空白)番です。 1:超緊急 2:緊急 3:緊急ながら安定している 4:深刻ではない 5:緊急性はない で、この順位をよくよく訳すと、超驚愕なアイルランドの医療事情が垣間見えてくるわけです。 1:超緊急 患者さんは直ちに医師の診療を受けます …ふむふむ、そりゃそうだね。生死に関わるような患者さんが来たら直ちに先生に診てもらわないと。 2:緊急 医師の診察を20分以内に受けますが状況によります。 3:緊急ながら安定している 医師の診察を1時間以内に受けますが状況によります。 4:深刻ではない 医師の診察を2時間以内に受けるか、ホームドクターを紹介するか、別の病院を紹介しますが状況によります。 5:緊急性はない 医師の診察を4時間以内に受けるか、別のサービスを紹介するか、ホームドクターを紹介するか、別の病院を紹介しますが状況によります。 …よ、よ、よ、4時間も待てるか!アフォ! というのが患者側で …くそ忙しいのでその程度のことで救急病棟に来るんじゃねえ! というのが病院側の主張なんでしょうね。 上のツッコミに問題は集約されてしまっているのですが、まず、緊急病棟の医師や設備があからさまに不足してます。そこに輪をかけて、緊急性がなさそうな患者が緊急病棟にやってきてさらに状況を悪くしているというわけ。 で、問題はですね、最初の「もし、あなたが急にお腹が痛くなった、頭を縫うような怪我をした」場合。緊急病棟の職員の目から見ると大した怪我じゃなくても、本人にとっては大怪我。なのに、「カテゴリー3」に分類されて1時間も待たされたりしたら、そりゃ、キレますよ。ゆえに、紙の下半分はいわば「言い訳」に費やされています。 ところで質問です。アイルランドの救急車って有料ですか? 私はずっと有料だと思い込んでいたのですが、アイルランドの友人いわく、「緊急性があって使った場合は無料」と聞きました。本当のところはどうなんでしょうね。 日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝) |