なべて世はこともなし
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2004年09月21日(火) 選択。どっちの新幹線に乗りますか?

デュッセルドルフ発20:25。ダブリン着21:15(1時間の時差があります)。


これ、エアリンガスの699便。さて、ここで問題です。これに乗るためにどの新幹線に乗ればいいでしょうか。ハノーバー方面から来る新幹線は毎時1本。すなわち、午後6時ちょうどに着くか、午後7時ちょうどに着くか、午後8時に着くか(正確には毎時57分に着きます)。ちなみに空港駅からターミナルまでは5分おきに出るモノレールで所要5分。


ヨーロッパの多くの空港は出発30分前に搭乗受付カウンターが閉まります(注:これより長いところも短いところもありますが、概して30分前がいちばん一般的)。つまり、午後8時のではいくらなんでも間に合わない。で、午後7時着か午後6時着。午後7時着だと85分前に着くから、ちょうどいいタイミングと思われます。…以下読み進める前に早いほうの電車に乗るか、遅いほうの電車に乗るか決めてから読んで下さい。


意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は2時間30分前に着く早いほうの新幹線に乗りました。というのも、この新幹線にハノーバーで乗り継ぐために、私はこれまた毎時1本のローカル線に乗らねばならず、ハノーバーでの乗り換え時間が9分しかないので、万が一にもローカル線が遅れた場合を考えると、早いほうに乗っておいて損はないと思ったわけです。


もっと正直に書くと、今回、なぜか理由なくドラえもんの「虫の知らせアラーム」が鳴ったのです。今までは1時間30分前に着く新幹線に乗っていたものの、なぜか今回は2時間30分前の新幹線を選んだ次第。ちなみに、一般論としてヨーロッパの搭乗受付は出発前30分に終了する(注:これより長いところも短いところもあります)。かつ、駅からターミナルまでは5分おき、所要5分のモノレールに乗らなければいけない。


ハノーバーでの乗り継ぎはカンペキ。新幹線も定刻に着き、座席予約をしていた私は、私の指定席に座っていたアホタレオッサンを追い出して、混んだ新幹線に陣取る。


ハノーバーを出て最初の駅Bielefeld(ハノーバーより110キロ)には定刻着。この先まさかの事態になるとは知る由もなく、Bielefeld発。次の駅は67キロ離れたHamm。


ところが。


Bielefeldを出てすぐのこの新幹線の通過駅、Güterslohでこの新幹線は臨時停車。車掌のアナウンス(注:ドイツ語です)。


車掌:「お客様にご案内いたします。この先で事故発生のため、ただいま運行を見合わせております。しばらくお待ちください」


言うまでもなく私のドイツ語なんて中学1年生の英語力以下ですから意訳ですが、おおむねそんな感じのことを言っておりました。その後も同じアナウンスばかり。ちなみにドアーは開け放してあり、ホームに自由に降りることができる。ともあれ、いい加減イライラしはじめた1時間後。ようやく、


車掌:「間もなく発車いたします。ご乗車のままお待ちください」


…って車外にアナウンスしないで車内にアナウンスしてどうするのよ?


結局新幹線が動きはじめたのは1時間15分後


Güterslohの駅から新幹線は歩いたほうが早いくらいの超徐行運転。それでも500メートルくらい進んだところで乗客が総立ちになって何かを見ている。私もみんなが見ている方向を見ると


トレーラーが線路のガードに激突してる。


日本でも良くありますよね。桁下の低いガード。大型の運転手は細心の注意を払って運転しなきゃいけないのですが、うっかりミスか何か知りませんが、そうしない運転手がいることも確かで。ここでもトレーラーを思いきり線路のガードにぶつけたアホタレがいたわけ。よくは知りませんが、やはり線路のガードに衝突されると、脱線の恐れがあるのか、列車は一度運行を停止しなければいけないようです。


で、お客のひとりの発言。


客:「またこのガードかよ!」


日本でも良くある、いつも大型車がぶつかるガード、ドイツにも存在するようです。


何とかしろよ。ドイツ国鉄(または道路管理者)


で、暇だったので隣りのおねえさんと話しはじめまして、この方オランダ人。オランダ人のご多分に漏れず、英語もドイツ語も自由に操る人でして、いろいろ話しはじめる。で、私がダブリンに8時25分のヒコーキに乗らなければいけないことも話す。すると、彼女は…


彼女:「あら、そうなの。さっきGüterslohのホームでアイルランド人が話しかけてきたのよね。彼、ドイツ語を話さないから、『何が起こっているのか教えて』だって。彼もデュッセルドルフ空港から同じヒコーキに乗るみたいよ。偶然ね」


で、デュッセルドルフ空港駅の一つ前のDuisburgに着いたのは定刻の1時間30分遅れ。つまり午後7時15分。ヒコーキの離陸70分前。ここでくされ車掌は私にとって痛恨のアナウンス(しつこいけどドイツ語ね)。


車掌:「お客様にご案内申し上げます。当列車、ただいま1時間30分遅れで運行しております。少しでも遅れを取り戻すために、当列車、デュッセルドルフ空港駅を本日通過いたします。空港駅ご利用の方は、地下道通りまして5番線より各駅停車をご利用ください」


てめえ!ただでさえ間に合うかビミョーなのにそういう仕打ちをするか!


で、慌てて5番線ホームに行き各駅停車に乗る。で、またコメディの定石としてこの15分に1本の各駅停車が来ない!定刻に遅れること10分。ようやく各駅停車がやってきた。この時点で午後7時30分。あと1時間。つまりあと25分で搭乗受付が閉まる。現時点でDuisburgから空港まで14キロ。各駅停車での所要18分。かなりやばい。


で、デュッセルドルフ空港駅に着いたのは午後7時45分。40分前。上にも書いた通り、ここから5分おき、所要5分のモノレールに乗らなければいけない。


モノレールが到着して走ってたどり着いたエアリンガスのカウンター。言うまでもなく私が最後の客でして、出発33分前。すなわち、搭乗受付終了3分前。遅いほうの新幹線を選んでいたら完全アウトでした。


で、搭乗券をもらってふと、新幹線でとなりの席に座っていたオランダ人の言葉を思い出した。


彼女:「アイルランド人が同じヒコーキに乗るはずよ」


そういえばほぼ貸切状態のモノレールに該当する人物は乗っていなかったし、チェックインカウンターでも該当する人物はいなかった。…とどのつまりは


乗り遅れた?


やはり、どこかの国に行くにはその国の言葉を最低限マスターするのが良いと思います。幾らも入ってませんが、以下の仮定に財布ごと賭ける自信があります。


このドイツ語の全く分からないアイリッシュはヒコーキに乗り遅れた。


いやー、これがイタリアとかじゃなくて良かった。イタリアだったら完全に乗り遅れてました。皆様:空港には早めに着くようにしましょう。


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